「神(かみ)」と「仏(ほとけ)」の違いって?
神 | さまざまな宗教信仰の対象。人知を超えた人間ではない存在。 |
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仏 | 仏教の開祖である釈迦(仏陀)など、仏教における信仰の対象。 |
記事の目次
語源
神(かみ、かみさま)
アイヌ語のカムイからきている説が有名だが、明確な語源は分かっていない。
上(かみ)を語源とする説もあるが、奈良時代は「み」の発音が違うと言われ、違うものと考えられている。
仏(ほとけ、ぶつ、ほとけさま)
サンスクリット語でブッダ(漢訳:仏陀)の略。
本来は「ぶつ」と読むところが「ほとけ」となったことには諸説ある。
「仏陀(buddha)」を音写した「浮屠(ふと)」または「仏図(ふっと)」に「家」を足したもの「浮屠家」「仏図家」からなまり、「ほとけ」となった説。
仏陀は悟った人・目覚めた人という意味から、束縛から解け(ほどけ)たとなり、「ほとけ」となったという説など。
宗教による違い
神道
神とは、日本古来の宗教である神道において、自然界や霊的世界の、畏怖・崇拝される存在。祈りや祭りに立ち現れるもの。
「八百万(やおよろず)の神」と言われ、この世に存在するあらゆるもの(八百万)に神が宿るとされている。
仏教
仏とは仏教において、仏さまなどと呼ばれ、信仰の対象を指す。仏は仏陀の略であり、仏陀とは古来、「目覚めた人」「悟った人」の意味がある。
単に仏陀というと釈迦その人のみを表すが、仏というと、「悟りを開いた人」を指す言葉としても使われる。
開祖である釈迦は超越的な存在である神を認めず、修行により苦しみから抜け出すことを教えとして説いた。
日本では、死者のことや慈悲深い人も仏や仏さまと呼ぶことがある。
その他の宗教
「神」という言葉は、元は神道の神のみを指しており、キリスト教が伝わると、全知全能の神である創造主「デウス」と区別されていたが、明治時代よりすべて「神」と言われるようになった。
キリスト教だけでなく、他の宗教でも同様に信仰の対象を「神」と呼ぶ。
数え方
神
神道において、神の数え方は一柱(ひとはしら)、二柱(ふたはしら)…と数える。
仏
仏教において、仏の数え方は一尊(いっそん)、二尊(にそん)…と数える。仏像においては、「体」「仏」「座」などとも数えられる。