【ラジオ】「AM放送」と「FM放送」の違いって?

POINT
  • ラジオ放送の種類であり、空気の振動である音(=音波)を電波で運ぶ方法をいう。
AM放送AMは、振幅変調(Amplitude Modulation)の略。音波の強弱をそのまま電波の強弱(振幅)で表した方式。
電波には中波を使用しており、広い範囲に安定して放送することができるのが特徴。
FM放送FMは、周波数変調(Frequency Modulation)の略。音波の強弱を周波数の変化で表した方式。
電波には超短波を使用しており、放送範囲はAM放送に比べて狭いが、綺麗な音質で放送できるのが特徴。

放送局にあるマイク

ラジオのしくみ

ラジオでは、送る側の音声を電波に変換し(変調)、それを聞き手側のラジオが受信し音声に戻すこと(復調)によって聞くことができる。

AM放送とFM放送では、この変調方法に違いが見られる。

変調方法の違い

AM放送

AM放送の変調解説図

AM放送では音波の強弱に合わせて、電波の強弱(振幅)を変化させる方法である。

FM放送

FM放送の変調解説図

FM放送では音波の強弱に合わせて、電波の周波数(波の数)を変化させる方法である。

それぞれの放送の特徴

電波には波長の違いによりさまざまな周波数があり、超長波・長波・中波・短波・超短波・極超短波・マイクロ波・ミリ波・サブミリ波の9種類に分けられる。

無線で電波を送信するためには、届けたい距離や情報量に適したものが選ばれる。周波数が高いほど送信できる情報量は多くなるが、届けることのできる距離は短くなる。

波長の種類の図

AM放送

AM放送に使用される電波は中波と呼ばれる。

周波数が526.5kHz~1606.5kHz(日本)、波長が200m~600mの電波である。波長が長いため障害物などに強く、広範囲(海外にも届く場合がある)での放送が可能である。

しかし、波長が長い分ノイズや混信(近い周波数の電波が混ざってしまうこと)に弱く、音域が狭いためFM放送よりも低音質になっている。ニューストーク中心の番組が多い。

FM放送

FM放送に使用される電波は超短波と呼ばれる。

周波数が76.1MHz~94.9MHz(日本)、波長が3m~4mの電波である。波長が短いため放送できる範囲は狭く(数10km~100km程度)、地域限定の放送に適している

音域が広くノイズに強いため、AM放送よりも高音質になっている。音楽中心の番組が多い。

電気的な雑音(ノイズ)の影響

AM放送

複数の電波が重なってしてしまうと、いずれかだけを選択して受信するということが難しい。

そのため、ほかの電気的な雑音の影響で電波の外形が崩れることにより、音声が乱れることになる。さらに、混信も起こりやすい。

FM放送

複数の電波が重なってしまっても、電波にある一定以上の強度の違いがあると、強い信号のみを取り出し、弱い信号は隠してしまう(マスキング)。

また、振幅が一定のため、ほかの電気的な雑音が入ったとしても、余分な振幅を取り除くことができる。そのため、雑音の影響を受けにくく、混信も起こりづらい。