「新米」と「古米」の違いって?

POINT
新米
(しんまい)
前年11月1日から当年10月31日までに収穫した米。年内に袋詰めをすれば「新米」と表示できる。水分量が多くやわらかいといった特徴がある。力を入れずに研ぎ、水を少なめにして炊くとおいしい。
古米
(こまい)
前々年11月1日から前年10月31日までに収穫した米。水分量は少なく硬いといった特徴がある。力を入れて研ぎ、水は普通もしくは多めにして炊くとおいしい。

稲穂

新米と古米の違い

新米(しんまい)と古米(こまい)は、下記のような点において違いがある。

米穀年度による区別

新米と古米は、米穀年度によって明確に区別できる。米穀年度とは、米の収穫時期を基準として定められた年度のことである。前年11月1日から当年の10月31日までを1年とする。

米穀年度に関する図

参考:2020年の米穀年度

米穀年度を当てはめると、新米は当年度、古米は前年度に収穫した米を指す。なお、前々年度のものは古古米(ここまい)と呼ぶ。以降は1年古くなるたびに、古の数が増えていく(古古米・古古古米・古古古古米……)。

JAS法による区別(表示面)

表示面に限るならば、新米と古米はJAS法によっても区別できる。JAS法(玄米及び精米品質表示基準)では、年内に精白・梱包された米を「新米」と表示できると定めている。一方、それ以前に精白・梱包された米を「古米」と表示する義務はない。

水分量・風味など

新米と古米は、風味などに違いがみられる。

 新米古米
水分量多い少ない
やわらかさやわらかい硬い
見た目白くてツヤがある黄色っぽくてツヤがない
粘り気適度にある少ない
香り甘い香り独特の香り

保存技術が向上した現代では、新米のほうが必ずしもおいしいというわけではない。古米のほうが向いている料理もある。

古米が向いている料理の例
  • チャーハン
  • カレー
  • 寿司(すし) など

炊き方のコツ

炊飯器

新米と古米では、炊き方のコツにも違いがある。

研ぎ方

新米は力を入れずに研(と)ぐとよい。水に濁りが残っていても、短時間で済ませる。

他方で古米は、力を入れて研ぐとよい。水の濁りがなくなるまで研ぐと、古米独特の香りが残りにくい。

水加減

水分量の多い新米は、通常よりも少なめの水加減(1割減)で炊くとよい。

一方、水分量の少ない古米は、通常の水加減(もしくは1割弱増)で炊くとよい。

まとめ

 新米古米
米穀年度当年度に収穫(前年11月1日~当年10月31日)前年度に収穫(前々年11月1月~前年10月31日)
JAS法年内に袋詰めしたもののみ「新米」表示が可能
水分量多い少ない
やわらかさやわらかい硬い
見た目白くてツヤがある黄色っぽくツヤがない
粘り気適度少ない
香り甘い香り独特の香り
研ぎ方力を入れずに短時間で力を入れて濁りがなくなるまで
水加減少な目通常もしくは多め