「豆苗」と「かいわれ大根」の違いって?

POINT
  • ともにスプラウト(=食用にする植物の新芽)の一つ。
豆苗(とうみょう)えんどう豆の新芽。日本では戦後から食べられるようになった。ほんのりとした甘みがあり、主に加熱して食べる。
かいわれ大根大根の新芽。日本では平安時代には食べられていた。ピリッとした辛みがあり、主にのまま食べる。

室内で育てている豆苗

豆苗とかいわれ大根の違い

豆苗とかいわれ大根は、見た目が良く似たスプラウト(食用にする植物の新芽)である。

豆苗

豆苗

かいわれ大根

かいわれ大根

植物としての違い

豆苗(とうみょう)とは、えんどう豆の新芽をいう。茎の根本についている実が、えんどう豆である。

えんどう豆

えんどう豆

一方でかいわれ大根とは、大根の新芽をいう。葉が貝を割ったような形をしているため、“貝割れ”大根と呼ばれるようになった。

大根

日本における歴史

豆苗は、もともと中国料理の高級食材であった。戦後の日中国交正常化(1970年代)以降、日本へ入ってきたが、一般的に知られた食材ではなかった。しかし1990年代頃より、安定的な供給が可能となったため普及した。

一方で、かいわれ大根は平安時代には食べられていたとされる。かいわれ大根も高級食材であったが、1970年代頃より、安定的な供給が可能となったため普及した。

味・食べ方

豆苗には、ほんのりとした甘みがある。生でも食べられるが(軽く下茹ですると風味がマイルドになる)、主に加熱して食べられている。例えば炒め物・鍋物・お浸し・シチューなど、幅広い料理に用いられる。

一方で、かいわれ大根にはピリッとした辛みがある。で食べることが多く、サラダ・料理のつま(=メイン料理に少量添えるもの)・和え物・麺の具などに用いられる。

栄養素

豆苗とかいわれ大根は、ともにβカロテン・ビタミンK・葉酸・ビタミンCを豊富に含んでいる。βカロテンについてだけ見ると、豆苗に含まれるβカロテンの量は、かいわれ大根に含まれる量の約1.6倍である。

なお、かいわれ大根には「アリルイソチオシアネート」という辛み成分が含まれている。アリルイソチオシアネートには、抗菌作用・食欲増進といった働きがある。

栄養素の比較(生/可食部100gあたり)
豆苗かいわれ大根
カロリー(kcal)2421
たんぱく質(g)3.82.1
脂質(g)0.40.5
炭水化物(g)3.23.3
β-カロテン(µg)3,0001,900
ビタミンK(µg)210200
葉酸12096
ビタミンC4347

まとめ

豆苗かいわれ大根
植物えんどう豆の新芽大根の新芽
日本における歴史日中国交正常化以降(1970年代)食べられるようになった平安時代には食べられていた
ほんのりと甘いぴりっと辛い
主な食べ方加熱(炒め物・鍋物・お浸しなど)生食(サラダ・料理のつま・和え物など)
特筆すべき栄養素βカロテンはかいわれ大根の1.6倍アリルイソチオシアネート(辛み成分)