【神社仏閣】「神社」と「寺」の違いって?
神社 | 神道において神様が祀られている施設。訪れた人々が、神へ願いを祈願する場所。 |
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寺 | 仏教において仏像を安置し、修行を行う施設。墓地がある寺が多く、葬儀の法事から先祖供養のための法要を行う場所でもある。 |
記事の目次
施設の特徴
神社と寺には次のような施設の違いが見られる。
参拝方法
鳥居の前では一礼、手水舎では手と口を清める。拝殿では礼を2回、柏手を2回、礼を1回する「二拝二拍手一拝(二礼二拍手一礼)」で参拝する。「二礼四拍手一礼」の神社もある。
門の前では一礼、手水舎では手と口を清める。本堂では手を合わせて一礼する「合掌礼拝(がっしょうらいはい)」のみ。線香やロウソクなどのお供えをすることもある。
宗教施設としての役割
神社は日本古来の宗教である神道の施設。
神道ではあらゆるものに神が宿るとされ、その神が宿るものである「ご神体」を祀るための施設である。
一般的にご神体は建物の核となる本殿におさめられ、神の鎮座する神聖な場所として、特別な祭祀以外は人が立ち入ることができない。
本殿に対し、拝殿というものが設けられ、参拝者はここで神に願いを込めて祈る。神社では、神職により日々祭祀が執り行われている。
寺は仏教の施設。出家した僧侶たちの住まいでもあり、修行する場所。
寺では、神ではなく、ご本尊と言われる仏を描いたもの「仏像・絵画・曼荼羅・名号」などが安置され、多くは一般の参拝客でも拝み見ることができる。
仏教にはたくさんの宗派が存在し、それによりご本尊はそれぞれ異なる。寺では、僧侶が修行の一環として、日々ご本尊に向かい読経を行ったり布教活動を行ったりしている。
住民との関わりにおける役割
神様はその土地を守ってくれると信じられている。
そのため、一般家庭でも子供が生まれるとその土地の一員となる挨拶として神社へ「お宮参り」をし、「七五三」でお参りをする。それ以外にも新築工事をする場合、地鎮祭や上棟式が行われたり、地域ぐるみで神社を中心としたお祭りが行われたり、今も風習として残っている。
家庭内では神棚を家に設置する風習があり、日々お参りすることで、家内安全などを祈願し、そこに祀るお札は神社で授かる。
寺と地域住民との関わりは葬儀が大きい。
神道が死を穢れと捉えるのに対し、仏教では葬儀は「仏弟子になる」儀式で、死と向き合うことも修行の一つと捉える。そのことから日本の仏教では、寺が葬儀を執り行い、寺の墓地に墓を建て、骨を納めるという形で根付いている。
地域によっては、住民の集会所の役割を担う寺もある。
家庭内では、故人を偲ぶために仏壇を設置し、寺からいただいたご本尊と位牌を拝む風習がある。
寺に泊まり、修行を体験できる宿坊などが行われるところが増え、一般にも広く門戸が開かれている。
歴史
当初は社殿がなく、巨岩や古い樹木や山などを神の降り立つ場所として自然発生的に信仰されていた。そこから社殿を立て、そこで祭祀を行い始めたことから神社として成り立っていったと言われる。
そのため、神社の起源を特定するのは難しく、日本古来の信仰として根付いたものである。
仏教が伝来してからは、「神と仏は一体」とされる神仏習合により、寺と神社が同居する時代があったが、明治の神仏分離令により、完全に神社と寺が切り離され、現在に至る。
寺は、仏教が日本に伝来してすぐ、飛鳥時代から仏像を安置する場所として始まった。外来宗教のため、日本の国土は神により管理され、そこに寺を建てるということから、寺の境内には寺を守ってくれる神社(鎮守)が現在でも存在する。
江戸時代になると、キリスト教の排除のため、檀家制度がとられ、葬儀を寺が執り行うことを独占することになり、ここから寺と葬儀の密接な関係が始まった。