【社号】「神社」「神宮」「宮」「大社」「大神宮」「社」の違いって?

POINT

どれも神社の称号として定められた「社号」。○○神宮○○大社など後ろにつくもの。

神社一般的な神社の社号。
神宮古代から皇室とゆかりの深い神社につけられた社号。単に神宮のみなら伊勢神宮の正式名称。
特別な由緒を持った神社の社号。皇族を祀った神社も多い。
大社地域信仰の核をなす大神社。一時は出雲大社のみが許された社号。
大神宮伊勢神宮から分霊した神を祀った神社が多く、いくつか由緒がある。
大きな神社から分霊した神を祀った規模の小さな神社。

明治神宮

それぞれの特徴

神社

最も一般的な神社の社号。

神宮(伊勢神宮、鹿島神宮、香取神宮など)

伊勢神宮

伊勢神宮

皇室とゆかりの深い神社や、天皇や天皇の祖先である皇祖神を祀った神社。社格(神社の格式のこと)としては一番格が高い

皇祖神(皇室の祖にあたる神)の中でも更に祖先とされる「天照大神(あまてらすおおかみ)」を祭神(祀っている神様のこと)として祀る伊勢神宮は単に「神宮」というのが正式名称である。伊勢神宮は最重要な神社として「大神宮」ともいい、内宮「皇大神宮」と外宮「豊受大神宮」に分かれている。

宮(北野府天満宮、日光東照宮、香椎宮など)

北野天満宮

北野天満宮

天皇や皇族を祀った由緒のある特別な神社。神宮に次ぐ格式があるとされていた。他には、徳川家康を祀った「東照宮」、菅原道真を祀った「天満宮」などがある。

大社(出雲大社、春日大社、伏見稲荷大社など)

出雲大社

出雲大社

全国に末社があるような大神社が多く、地域の核をなす神社の社号。

明治から戦前までは出雲大社(杵築大社)のみに規制されたが、それ以前に名乗っていた春日大社など22社が戦後に大社号に変更している。

大神宮(東京大神宮、出雲大神宮など)

東京大神宮

東京大神宮

伊勢大神宮以外の大神宮と呼ばれる神社は、東京大神宮のように伊勢神宮から分霊(※)した神を祀っている。

出雲大神宮は出雲大社からの分霊とも出雲大神宮からの分霊とも言われている。

分霊とは、祭神の魂を分けて祀ることである。
祭神はその神社が祀っている神様のことで、伊勢神宮であれば「天照大神」が祭神となる。

社(神明社、天神社)

褒忠社

大きな神社から分霊した神を祀る、比較的規模の小さい神社の社号。

社号の関係図

社号関係図

起源

夫婦岩

あらゆるものに神が宿ると自然発生的に始まった「神道」において、神は巨岩など自然のものに宿ると信じられた。それらを神聖なものとして玉垣というもので囲い、祀った。

さらに、臨時の神の駐在所として別の場所に設けたものが「屋代(やしろ)」と呼ばれ、「社(やしろ)」となる。

社は儀式が済むとその都度撤去されたため、もっと身近に神を感じていたいということから「御屋(みや)」と呼ばれる社殿が建てられ、「宮(みや)」となる。

神宮とは「神の宮」であり、大社とは「特別に大きい社」である。

社号の歴史

現在社号には、「神宮」「大神宮」「宮」「大社」「神社」「社」がある。

社号は神社の格を表す「社格」の意味も含まれ、『日本書紀』にも神宮などの記載があり、古くから使われている。

平安時代に書かれた『延喜式』の神名帳には、由緒正しいと認められた神社が記載され、それぞれ細かいランク付けがされた。

明治時代には、国が神社を管理し、社格制度を制定され、神宮・大社などは天皇の許可がないと名乗れなくなった。

戦後敗戦に伴い、GHQにより政教分離が進められ、社格制度は廃止された。現在でも社格としての格付けはされていないが、それぞれの社号の特徴はほぼそのまま残っている。