「おしるこ」と「ぜんざい」の違いって?

POINT
  • どちらもあずきを使った甘味
関東のおしるこ汁のあるもの。
関東のぜんざい汁のない、あんをかけたもの。
関西のおしるここしあんを使っている。
関西のぜんざいつぶあんを使っている。

ぜんざい

関東と関西での呼び名の違い

語源からの変化の過程は定かではないが、関東と関西では以下のように呼び方が変わる。

関東

おしるこは汁のあるもの。さらにおしるこの中でも、「こしあん」なら御前汁粉(ごぜんじるこ)、「つぶあん」なら「田舎汁粉(いなかじるこ)・小倉汁粉(おぐらじるこ)」と呼ばれる。

ぜんざいは、餅などに汁気のないあんをかけたもの。

関西

つぶの有り無しで決まり、ぜんざいが「つぶあり」でおしるこが「つぶなし」。関西ではぜんざいが主流。

汁気のないあんをかけたものは「亀山」と呼ばれる。

語源

おしるこ(ぜんざい)

汁粉(しるこ、おしるこ)

元来汁粉の定義は広く、その中の一種、餡汁粉餅(あんしるこもち)が変化し、江戸時代ごろより小豆あんを使ったもののみに限定されるようになったといわれている。

ぜんざい

ぜんざいの語源は2つの説がある。

ひとつは、旧暦10月に出雲に神様が集まるといわれる、神在祭でふるまわれたものからという説。

神様にお供えしていた餅を小豆雑煮に入れ食したものを神在餅(じんざいもち)と呼び、方言のなまりからぜんざいとなったと言われている。江戸初期の文献にも残っており、古い歴史がある。

もうひとつは、とんちで有名な一休禅師が、あんもちを汁状に伸ばしたものを食べた際に、仏教用語である「善哉(ぜんざい・よきかな)」といったことからついたと言われている。

調理法の違い

おしるこは「あんを溶かす」ので、つぶんあんでもこしあんでもおしること呼ばれる。

ぜんざいは、神在餅の説では「小豆から煮る」、一休禅師の説では「あんもちを伸ばす」という調理法の違いがあるものの、「小豆から煮る」というものが一般的である。

現在ではどちらも曖昧になってきている。