「ユニセフ」と「ユネスコ」の違いって?
ユニセフ | 国連児童基金のこと。世界150以上の国と地域で児童への援助を行っている。 前身の国連国際児童緊急基金(United Nations International Children’s Emergency Fund)の略称を引き継いだため、UNICEF(ユニセフ)という。 |
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ユネスコ | 国連教育科学文化機関のこと。教育・科学・文化を通じて、世界平和と安全に貢献する活動を行っている。 United Nations Educational Scientific andCultural Organization の略称。 |
ユニセフとユネスコは、いずれも国連の機関のひとつである点では共通している。しかし、それぞれの設立目的や活動内容などには違いがある。
記事の目次
ユニセフ(UNICEF)とは
ユニセフの設立目的
ユニセフ(UNICEF)とは、国連児童基金(United Nations Children’s Fund)のことである。1946年に設立された国連国際児童緊急基金(United Nations International Children’s Emergency Fund)の後身である。
国連国際児童緊急基金は第二次世界大戦で荒廃した国の児童に対して、救済や福祉などを目的として設立された。当初は期限付きで創設されたが、1953年に活動範囲を広めるために改称、常設されることとなった。
戦災を受けた地域に限らず、世界中の子どもたちの命と健康、権利を守るための活動を行う機関へと発展したのである。本部はニューヨークに置かれた。
ユニセフの活動内容
設立当時は戦災を受けた地域において食品や衣服、薬品などを供給することが主な活動内容であった。しかし設立の目的が拡がりを持った現在では、その活動は多岐にわたっている。
保健・HIV/エイズ・水と衛生・栄養・教育・子どもの保護・社会へのインクルージョン・緊急/復興支援をその活動分野としている。
具体的な活動としては、例えば予防接種ワクチンの調達・給水設備やトイレの設置・急性栄養不良の子どもへの治療・児童婚の根絶の活動支援などを行っている。
活動している地域は、世界150以上の国と地域である。1965年度には、ノーベル平和賞を受賞した。
ユネスコ(UNESCO)とは
ユネスコの設立目的
ユネスコ(UNESCO)とは、国連教育科学文化機関(United Nations Educational Scientific and Cultural Organization)のことである。1946年、ユネスコ憲章に基づいて設置された。以下を目的として活動している。
教育、科学及び文化を通じて諸国民の間の協力を促進することによって、平和及び安全に貢献すること
文部科学省「日本ユネスコ国内委員会:回答」より
本部はフランスのパリに置かれ、日本は1951年に加入した。
ユネスコの活動内容
ユネスコの活動には、教育・科学・文化・コミュニケーションといった分野がある。
具体的な活動内容としては、アフリカにおける平等で質の高い教育へのアクセス向上・ジェンダー平等の促進活動・文化遺産や自然遺産の保存などが挙げられる。
ユネスコへの加盟国数は193、準加盟地域は11に上る。(2020年時点)