「ワンセグ」と「フルセグ」の違いって?

POINT
  • どちらも地上デジタル放送のサービスの一つ。
ワンセグ割り当てられた周波数の範囲を13分割したセグメントのうち、1つのセグメントを使用して放送する。ガラケーやカーナビなど、移動中の視聴に向いている。低画質で、バッテリーの減りは遅い
フルセグ割り当てられた周波数の範囲を13分割したセグメントのうち、12のセグメントを使用して放送する。家庭用テレビ向けで、移動中の視聴には向かない高画質で、バッテリーの減りが早い

スマホとガラケー

ワンセグとフルセグの違い

ワンセグとフルセグは、いずれも地上デジタル放送(地デジ)のサービスの一つという点では同じである。

使用するセグメントの数

ワンセグとフルセグの違いの前に、地上デジタル放送の周波数帯域(周波数の範囲)について説明する。

日本では1つのチャンネルにつき、6MHz(メガヘルツ)の周波数帯域が割り当てられている。そしてこの帯域をさらに約430kHzずつ、13のセグメント(=区分)(※)に分割して放送している。ワンセグとフルセグは、このセグメントの数が違う。

未使用の周波数帯域を含めると14

ワンセグとフルセグの図

13のセグメントのうち、1つを使用して放送するのがワンセグである。1つ(ワン)のセグメントを使うので、ワンセグと名付けられた。他方で、12のセグメントを使用して放送するのがフルセグである。なお、ハイビジョン放送も12セグメントを使用している。

ワンセグとフルセグは、いずれも日本国内でのみ使われる慣用表現であるので、海外では通じない。

移動中の視聴の向き・不向き

カーナビ

ワンセグ放送のサービスは、移動体機器(ガラケー・カーナビなど)向けに開始された。移動中も安定的にデータを受信できるように設計されているので、移動中の視聴に向いている。テレビがなくても、機器があればどこでも地上デジタル放送を楽しめる。

フルセグ放送のサービスは、ハイビジョン放送と同様の画質を提供するために開始された。もとは家庭のアンテナでデータを受信できるように設計された技術である。ワンセグ放送に比べれば、移動中の安定的なデータ受信は期待できない。つまり、フルセグは移動中の視聴に向いていない

画質とバッテリー

ガラケーのワンセグ

ワンセグ放送は低画質(最大解像度320×240)である(移動体機器の小さい画面なら、十分に視聴できるクオリティー)。これは受信するデータの量が少ないからである。扱うデータの量が少なければ、消費電力もかからない。よってワンセグ放送は、バッテリーの消費が遅い

フルセグ放送は高画質(最大解像度1920×1080)である。スマホやタブレット端末などの大きな画面でも、美しい映像を楽しめる。これは受信するデータの量が多い(ワンセグの50倍)からである。扱うデータの量が多いので、その分消費する電力も多くなる。よってフルセグ放送は、バッテリーの消費が早い

まとめ

ワンセグフルセグ
使用するセグメントの数112
移動中の視聴向いている向いていない
画質低い高い
バッテリーの消費遅い早い