「羊」と「山羊」の違いって?

POINT
尻尾が長く、あごひげがない、角がらせん状、といった特徴を持つ。草食で、性格はおとなしくて臆病
山羊(やぎ)尻尾が短く、あごひげがある、角が後ろに少し曲がっている、といった特徴を持つ。雑食で、性格は好奇心が強く、攻撃的

食事中の羊

羊と山羊の違い

羊(ひつじ)と山羊(やぎ)は偶蹄(ぐうてい)目ウシ科に属し、古くから家畜化されてきた動物という点では同じである。鳴き声で見分けられるといわれるが、実際には難しい。

羊 山羊

【左】羊【右】山羊

羊と山羊の違いでわかりやすいのは、体の特徴である。

角(つの)の形

羊の角 山羊の角

【左】羊の角【右】山羊の角

羊の角は螺旋(らせん)状でその断面は三角形である。

一方で山羊の角は、後ろに少し曲がって伸びており、その断面は四角やひょうたん型である。ただし羊にも山羊にも、角が生えない種がいる。

あごひげの有無

羊のあごひげ 山羊のあごひげ

【左】羊のあごひげ【右】山羊のあごひげ

羊にはあごひげがないが、山羊(特にオス)にはあごひげがある。ただし、あごひげがある羊もいる。また、山羊でもメスにはあごひげがない場合や、オス・メスともにあごひげが生えない種もいる。

尻尾(しっぽ)の長さ

羊の尻尾 山羊の尻尾

【左】羊の尻尾【右】山羊の尻尾

羊の尻尾は、長くて垂れている。ただし、家畜化された羊の尾は、通常短く切られている。尻尾が長いままだと、毛に汚れが付きやすいからである。

一方で山羊の尻尾は、短くて上向きである。

羊の毛はやわらかくてカールしている。

一方で山羊の毛は、硬くて直毛である。もちろん両者には例外があり、特にアンゴラヤギ・カシミヤヤギは毛が長く、高品質なことでも有名である。

食性(雑食・草食)

羊は草食なので、飼育するためには草原が必要である。

一方で、山羊は雑食なので、草の他にも木の葉・木の芽などを好んで食べる。さらに、人間の残飯を食べることもある。

性格

羊の性格はおとなしく、臆病で従順である。単独行動はせずに群れで行動し、リーダーに付き従う傾向がある。

一方で、山羊の性格は好奇心が旺盛、攻撃的で強情である。単独行動をすることもあり、険しい山にも登っていく。

そこで山羊をリーダーとして羊の群れに混ぜ、人間が山羊を通じて、羊の群れをコントロールする場合がある。

【参考】ギープとは

羊と山羊は一見似ているが、種が違うので普通は交配できない。しかし、まれに両者をかけあわせた種が生まれてくる場合があり、これをギープ(geep/山羊“goat”と羊“sheep”より)という。

その他の違い

山羊
染色体の数5460
肉垂(にくすい)
(垂れ下がっている肉)
なしあり(ない種も)
分泌腺発達しているあまり発達していない

まとめ

山羊
尻尾長い・垂れている(野生)短い・上向き
あごひげなしあり
角の形螺旋状後ろに少し曲がる
角の断面三角形四角形・ひょうたん型
やわらかい・カール固い・直毛
染色体の数5460
肉垂なしあり(ない種も)
分泌腺発達しているあまり発達していない
食性草食雑食
性格おとなしい・臆病・従順・群れで行動好奇心旺盛・攻撃的・強情・単独行動する