「太陽暦」と「太陰暦」の違いって?

POINT
太陽暦地球が太陽の周りを1周する日数を基準にして定められた暦のこと。
太陰暦月の満ち欠けを基準にして定められた暦のこと。

カレンダー

太陽暦について

太陽暦とは

青空と太陽

太陽暦とは、地球が太陽の周りを回る公転運動を基準にして決められた暦のことをいう。1年を365日、4で割り切れる年をうるう年(閏年)(ただし100の倍数の年は400の倍数でなければ平年)としている。

これは、地球の正確な公転周期は365.2422日であるため、4年に一度は1年を366日(うるう年)とすることで調整しているからである。

太陽暦の改良

現在、世界で広く用いられている「グレゴリオ暦」はこの太陽暦の一つである。一般的に、太陽暦の起源はエジプト暦とされ、紀元前2900年頃から用いられていたという。その後、ユリウス暦・グレゴリオ暦と改良されていった。

エジプト暦
ひと月を30日、1年を12ヶ月と5日(=365日)とした。
ユリウス暦
紀元前46年から実施、ローマのユリウス・カエサルが制定した太陽暦のこと。1年を365日とし、4年ごとにうるう年を置いた。
グレゴリオ暦
ローマ教皇のグレゴリウス13世が1582年10月4日の翌日を10月15日とした。現行の太陽暦である。

太陰暦について

太陰暦とは

夜空と月

これに対して太陰暦とは、月の満ち欠けを基準にして決められた暦のことをいう。その起源は紀元前18世紀頃の古代バビロニア帝国にまで遡ることができる。

この暦では、新月が満月となり、欠けるまでの期間をひと月とする。すると、ひと月は29日もしくは30日となり、実際の季節とはズレが生じてしまう。これを解消するために作られたのが「太陰太陽暦」である。

太陰太陽暦とは

太陰太陽暦とは、月の満ち欠けと地球の公転期間の両者を基準にした暦のことである。ひと月は太陰暦と同様、29日か30日である。しかし、およそ3年に一度、うるう月(閏月※1)が設けられている。こちらの暦は、日本でも明治5年(※2)まで採用されていた。

1 太陽太陰暦のひと月を仮に29.5日とすると、一年は354日となる。つまり1太陽年(365日)には11日足りていない。3年経つとそのズレは33日となってしまう。そこで2~3年に一度、一年を13カ月として調整を行う必要がある。

2 太陰太陽暦から太陽暦への切り替えに伴い、明治5年12月3日が明治6年1月1日となった。これと同時に1日24時間制、一週間7日制も採用されている。

イスラム暦について

なお、現行の太陰暦はイスラム暦のみといわれている。イスラム暦はヒジュラ暦、マホメット暦などとも呼ばれ、イスラム教諸国で使われている。

1年は354日(うるう年は355日※3)の12ヶ月に分けられ、第9月にはラマダーンという断食が行われることでも有名。1年間で暦と季節が11日ずれるため、暦と季節は対応していない

3 30年を周期とし、この間に11回(2、5、7、10、13、16、18、21、24、26、29年目)のうるう年が置かれる。うるう年は12月の日数が29日ではなく30日になる。

まとめ

以上の内容を簡単にまとめると、下記の表のようになる。

太陽暦太陰暦
基準地球の公転月の満ち欠け
特徴1年365日、4年に一度うるう年。ただし100の倍数の年は400で割れる年でなければうるう年ではない。ひと月が29または30日となり、季節とのズレが生じる。(→太陰太陽暦へ)
採用状況世界中の多くの国では「グレゴリオ暦」を採用イスラム教諸国では「イスラム暦」を採用