「低気圧」と「高気圧」の違いって?
低気圧 | 周りよりも気圧が低い領域のこと。上昇気流が発生するため、天気が崩れる。 |
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高気圧 | 周りよりも気圧が高い領域のこと。下降気流が発生するため、天気は良くなる。 |
記事の目次
概要
低気圧とは
出典:気象庁「過去の天気図」
天気図上の低気圧とは、周りよりも気圧(※1)の低い領域のことをいう。閉じた等圧線(=気圧の等しいところを結ぶ線)によって表される(※2)。“低い”というのは相対的(他の領域と比較して)に決まるものであり、○hPa以下であれば低気圧である、という基準などは存在しない。
1 「空気の濃さ」と捉えると理解しやすい。単位はhPa(ヘクトパスカル)。
2 等圧線で表すことができない場合は「低圧部」と呼ぶ。
なお、低気圧にもいくつか種類があり、
- 温帯低気圧
- 温帯または寒帯で発生する低気圧のこと。単に「低気圧」というと、こちらを指す。
- 熱帯低気圧
- 熱帯地方の、主に海上で発生する低気圧のこと。「台風」や「ハリケーン」などはこれに当たる。
といったふうに大別することができる。
高気圧とは
天気図上の高気圧とは、周りよりも気圧の高い領域のことをいう。閉じた等圧線によって表される(※3)。低気圧と同様、“高い”というのは相対的に決まるものであり、○hPaであれば高気圧である、という基準などは存在しない。
3 等圧線で表すことができない場合は「高圧部」と呼ぶ。
なお、高気圧にもいくつか種類があり、
- 寒冷高気圧
- 周りよりも気温の低い高気圧のこと。「背の低い高気圧」とも。
- 温暖高気圧
- 周りよりも気温の高い高気圧のこと。「背の高い高気圧」とも。
といったふうに大別することができる。
低気圧と高気圧の違い
このように、両者には“気圧の高さ”という違いがあることはわかる。しかし、より具体的な違いがあるので説明する。
- 低気圧:風が吹き込む → 上昇気流が発生 → 雲が発生しやすい → 悪い天気
- 高気圧:風が吹き出す → 下降気流が発生 → 雲が発生しづらい → 良い天気
低気圧における風の流れ
出典:weathernews「1分でわかる天気のコトバ〜低気圧〜」
低気圧は気圧が低い、つまり空気の薄い領域を意味している。そこで周りの“濃い”空気が“薄い”低気圧に向かって移動するため、低気圧域内には風が吹き込んでくる(※4)。そして集まり過ぎた風は、上空に逃げるしかなくなる(上昇気流の発生)。
4 北半球では反時計回りに、南半球では時計回りに風が吹き込む。
すると、空気中に含まれる水蒸気が寒い上空で冷やされ、水滴に戻る。そのため雲が発生し、天気が崩れやすくなるというわけである。
高気圧における風の流れ
出典:weathernews「1分でわかる天気のコトバ〜高気圧〜」
高気圧は気圧が高い、つまり空気の濃い領域を意味している。そこで“濃い” 高気圧中の空気が、周りの“薄い”ところに移動しようとする。よって高気圧域内からは、風が吹き出すことになる(※5)。そして吹き出していく空気を補うため、上空の空気が下へと降りてくる(下降気流の発生)。すると雲は発生しづらくなるため、良い天気になるというわけである。
5 北半球では時計回りに、南半球では反時計回りに風が吹き出す。
まとめ
低気圧 | 高気圧 | |
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意味 | 周りよりも気圧の低い領域 | 周りよりも気圧の高い領域 |
風の流れ | 周りから吹き込んでくる→上昇気流の発生 | 周りへと吹き出す→下降気流の発生 |
天気 | 悪い | 良い |