「爬虫類」と「恐竜」の違いって?

POINT
(現在の)爬(は)虫類トカゲ目・ムカシトカゲ目・カメ目・ワニ目の4つに分類される。脚が体のに生えており、二足歩行ができない
恐竜かつて繁栄した爬虫類のこと。竜盤目と鳥盤目の2つに分類される。脚が体のに生えており、二足歩行ができた

ティラノサウルスの頭蓋骨

爬虫類と恐竜の違い

恐竜は中生代(2億4500万年前~6500万年前頃)に繁栄していた爬虫類の総称としていわれている。しかし、現在の爬虫類とは生物学上の分類や歩行の仕方が異なる。

生物分類上の違い

爬虫類の分類

出典:ZOOTIME「爬虫類講話開催

まずは爬虫類の生物学上の分類を見てみよう。爬虫類は両生類から分かれて進化したグループで、現在は以下の4つに区分できる。

  1. トカゲ目
  2. ムカシトカゲ目
  3. カメ目
  4. ワニ目
カメ、ムカシトカゲ、トカゲ、ワニ

カメ(左上)、ムカシトカゲ(右上)、トカゲ(左下)、ワニ(右下)

出典:Petter Bøckman CC BY-SA 3.0

絶滅したとはいえ、恐竜は爬虫類に分類される。中生代に生息していた、直立歩行に適した骨格を持っている爬虫類が恐竜にあたる。

英語で恐竜は“dinosaur”というが、ギリシャ語の恐ろしい“deinos”トカゲ“sauros”に由来している。

ティラノサウルス

ティラノサウルス

恐竜は骨盤の形により竜盤目と鳥盤目に分けられる。現在の鳥類は竜盤目から進化したと考えられているため、「恐竜は絶滅していない」といわれることもある。

恐竜の分類

恐竜と間違えられやすいのが、翼竜(よくりゅう)や魚竜(ぎょりゅう)、首長竜(くびながりゅう)だ。いずれも爬虫類だが、恐竜(竜盤目と鳥盤目)とは別に分類されている。

  • 翼竜:翼竜目に属する飛行性の爬虫類 例)プテラノドン・ランフォリンクス・プテロダクティルス
  • 魚竜:魚竜目に属する魚類に似た海生の爬虫類 例)イクチオサウルス
  • 首長竜:鰭竜(きりゅう)目に属する首の長い海生の爬虫類 例)プレシオサウルス・エラスモサウルス・フタバスズキリュウ
プテラノドン

プテラノドン

恐竜の特徴は二足歩行

爬虫類と恐竜の骨格

爬虫類(左)と恐竜(右)の骨格

現在の爬虫類と恐竜の違いは足(あし)のつき方にある。

爬虫類はご存じの通り、二足歩行をしていない。足がに向かい生えているためである。ひざは90度近く折れ曲がり、全体重を体全体で支えている。爬虫類の「爬」にはひっかく、地を這(は)うといった意味があるが、まさに現在の爬虫類は這って移動する。

イグアナ

イグアナ

一方で恐竜は二足歩行であった。脚がに向かって生えているためである。ひざをまっすぐに伸ばすことができ、全体重を2本の足で支えていた。恐竜の中にもトリケラトプスなど四足の種もいるが、その祖先は二足歩行だったと考えられている。

ティラノサウルスの骨格標本

ティラノサウルスの骨格標本