「警察」と「機動隊」と「軍隊」と「自衛隊」の違いって?
警察 | 国民の生命の保護・社会秩序の維持などを目的とした行政機関のこと。 |
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機動隊 | 治安維持のための警備活動や、専門的な能力が求められる部隊などでの任務を負う。警察内部の組織。 |
軍隊 | 侵略または防衛を遂行する権限を持つ、軍事力を持っている集団のこと。 |
自衛隊 | 日本の国土防衛のために創設された組織のこと。 |
記事の目次
それぞれの特徴
警察とは
警察とは、国民の生命・財産の保護や犯罪の予防・捜査、社会秩序の維持などを目的とした行政・組織のことをいう。
機動隊とは
そして機動隊とは警察内部の組織であり、集団警備力の中核として活躍している。現在では日本全国、すべての都道府県警察に設置されている。
機動隊は治安維持のために、以下のような任務に就いている。中には専門的な能力が求められるものや、海外で災害が起こった場合などには現地に派遣される部隊などもある。
- 警備活動(災害時・祭礼時・大規模なイベント時など)
- 爆発物処理班
- 機動救助部隊
- 水難救助部隊
- 銃器対策部隊
- NBCテロ対応専門部隊(※)
- SAT
- 国際緊急援助
これらはすべての都道府県の機動隊に存在するわけではない。なお、2013年頃から話題となったDJポリス(ユーモアを交えて交通整理をしていたことで有名)も機動隊の隊員であり、職務内容は幅広いといえる。
NBCテロ対応専門部隊とは、核(Nuclear)・生物(Biological)・化学(Chemical)物質を使用したテロが発生した場合に対応する部隊のこと。原因となった物質の検知や避難の誘導等を行う。
軍隊とは
軍隊とは、軍事力を備えている集団のことをいう。
兵器と兵員によって構成される。外国を占領するための手段となるだけでなく、自国の治安維持のためにも利用されている。
自衛隊とは
自衛隊は直接もしくは間接侵略に対して、日本を防衛することを主たる任務として創設された。
陸上・海上・航空の三つの隊からなっており、数多くの兵器を所有している。最高指揮権は内閣総理大臣が有しており、防衛省の管轄下にある。
自衛隊の任務としては、以下のようなものが挙げられる。
- 国の防衛
- 災害派遣
- 国連平和維持活動
- 救急患者輸送
- 遭難者救助
- 不発弾や機雷の処理
などである。このように日本の国土を守るだけでなく、人々の生命・財産の保護や国際社会の平和と安定を目指す活動なども行っているといえる。
なお、それらの活動を支えている今日の自衛隊の軍事力は、世界各国の軍隊に匹敵するほどであるといわれている。
軍隊と自衛隊の違い
現在の自衛隊は、外観・行動ともに軍隊と似ているという指摘があるように、自衛隊は軍隊であるのかないのかという議論が行われている。
日本の憲法では「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない(第9条)」と明記されているからである。
そこで自衛隊が軍隊であるとすれば、その存在は違憲ということになる。だが政府は、自衛隊は自国防衛のための必要最小限の実力組織であるため、違憲ではないという解釈を行っている。この点、憲法改正問題を含め、これからも議論される問題となっている。
機動隊と自衛隊の違い
機動隊と自衛隊、両者の任務の拡大に伴い、それぞれの役割の違いは曖昧となっている。しかし機動隊は治安維持の強化を目的とした警察の一組織であり、その存在に議論の余地はない。
他方で自衛隊は防衛省管轄下にあり、何よりもいまだに議論し尽くされていない組織である、という点が両者の違いともいえる。