「使用」と「利用」の違いって?

POINT
使用本来の目的で、物などを使うこと。
利用持っている機能・特性を充分に活かし、その物などを使うこと。本来の目的以外で物を使う場合でも用いることができる。

スポンジを使用している様子

使用と利用の違い

使用と利用は、いずれも「何かを使う」という意味においては共通している。だが下記の点においては、両者に違いが見られる。

目的の違い

使用は特定の目的のために、物・人などを使うときに用いられる表現である。他方で利用とは、使う物などの機能・特性などを充分に働かせて使うときに用いられる表現である。

例えば、キッチンスポンジで考えてみる。

(例1)食器を洗うのにキッチンスポンジを使用する

食器などを洗うためにキッチンスポンジを用いる場合は、「使用」を使うことがふさわしい。これはキッチンスポンジ本来の目的のために使われているからである。

(例2)野菜を育てるのにキッチンスポンジを利用する

キッチンスポンジに野菜などの種を埋め込んで発芽させ、キッチン菜園に使われる場合がある。この場合は「利用」を使うことがふさわしい。これはキッチンスポンジの吸収力・保水力の高さを活かしているからである。

人に使う場合

さらに両者は、人に対して使うとその意味が大きく異なってくる。

「人を使用する」といった場合には、賃金を払って他人を働かせることを意味する。使用人などをイメージすると良い。

他方で「人を利用する」といった場合には、自己の利益のために他人をだしに使うことを意味する。悪いイメージのある表現である。

まとめ

  • 使用特定の目的のために使うこと。
  • 利用機能や特性をフルに活かして使うこと。人に対して使うと悪いイメージになる。