「吹奏楽」と「オーケストラ」の違いって?

POINT
吹奏楽管楽器と打楽器による合奏の形態。複数人で同じ楽器・同じパートを担当する。クラシックのほか、ポップスやジャズなど幅広いジャンルの曲が演奏される。
オーケストラ弦楽器・管楽器・打楽器などによる合奏の形態。管楽器については同じ楽器が2人、同じパートは担当しない。基本的にはクラシックの曲が演奏される。

吹奏楽の風景1

吹奏楽とオーケストラの違い

吹奏楽とオーケストラは、大人数で楽器を演奏するという点では同じである。しかし両者は、演奏する楽器・同じ楽器やパートを担当する人数・曲のジャンルなどに違いがみられる。

吹奏楽をブラスバンドと呼ぶことがあるが、本来は間違いである。正しくは、「サクソルン属」と呼ばれる金管楽器(コルネット・トロンボーンなど)による合奏形態をいう。

演奏する楽器

吹奏楽の風景2

吹奏楽とは、管楽器による演奏を主体とし、打楽器を加えた(弦楽器のコントラバスを例外的に含む)合奏形態・音楽である。管楽器とは管でつくられた楽器で、音の出し方の違いにより金管楽器(唇の振動で音を出す)と木管楽器(唇の振動以外で音を出す)に二分できる。

金管楽器の例
  • トランペット
  • ホルン
  • チューバ
木管楽器の例
  • フルート
  • オーボエ
  • クラリネット

オーケストラの風景

一方でオーケストラとは、弦楽器・管楽器・打楽器・鍵盤楽器(管楽器のサックスは除く)といった、さまざまな楽器による合奏形態もしくは合奏団である。

弦楽器の例
  • ヴァイオリン
  • ヴィオラ
  • チェロ
  • コントラバス
木管楽器の例
  • ピアノ
  • チェンバロ
  • オルガン

同じ楽器・同じパートを担当する人数

吹奏楽では、複数人(10人以上の場合も)で同じ楽器・同じパートを演奏するため、個人の演奏は際立たない。

一方で、オーケストラの管楽器は各2本ずつ、1つのパートは1本ずつで演奏する(弦楽器と打楽器は必要に応じて変わる)。個人の演奏が際立つ反面、各演奏者にかかるプレッシャーは大きくなる。

演奏される曲のジャンル

吹奏楽では、クラシック・ポップス・ジャズなど幅広いジャンルの曲が演奏される。

一方でオーケストラでは、基本的にクラシックの曲が演奏される。

ブラスバンドとの違いは?

日本ではよく吹奏楽をブラスバンド(木管楽器は編成に含まれない)と呼ぶことがあるが、本来は間違いである。正しくは、「サクソルン属」と呼ばれる金管楽器(コルネット・トロンボーンなど)による合奏形態をいう。イギリスでは吹奏楽のことをウインドバンドと呼ぶ。

名前の由来は真鍮(しんちゅう:銅と亜鉛の合金)を意味するブラス(Brass)からで、金管楽器に主に使われる材料である。

まとめ

吹奏楽オーケストラ
楽器の種類管楽器(主体)+打楽器弦楽器+管楽器+打楽器+鍵盤楽器
楽器・パートの担当複数人で同じ楽器・同じパート【管楽器】2人で同じ楽器・違うパート
【他】必要に応じて調整
曲のジャンル幅広い(クラシック・ポップス・ジャズなど)クラシック