「白身魚」と「赤身魚」と「青魚」の違いって?
白身魚 | 肉の白い魚のこと。赤い色をした色素タンパク質の含有量が少ない。 |
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赤身魚 | 肉の赤い魚のこと。赤い色をした色素タンパク質の含有量が多い。 |
青魚 | 背が青い魚のこと。 |
記事の目次
概要
白身魚とは

タイの刺し身
白身魚とは赤身魚に対する言葉で、肉の白い魚のことを指す。味は淡泊であっさりとしている。
- 白身魚の例
- タイ・ヒラメ・タラ・スズキ・フグなど
赤身魚とは

マグロの刺し身
赤身魚とは前述の白身魚に対する言葉で、肉の赤い魚のことを指す。味はうまみが濃厚である。
- 赤身魚の例
- マグロ・カツオ・サンマ・イワシ・サバなど
青魚とは

青魚(イワシ)
青魚とは赤魚(※1)に対する言葉で、赤身魚のうち、体表(背)の色が青光りしている魚のことを指す。
1 体表が赤みを帯びた魚のことで、「赤物」ともいう。これに対して、青魚も「青物」と呼ばれることがある。
- 青魚の例
- サンマ・イワシ・サバ・ブリなど

赤魚(アコウダイ)
白身魚と赤身魚と青魚の違い
分類方法
まずこの3つはは、分類の方法が異なっている。
- 白身魚・赤身魚 → 肉の色
- 青魚 → 体表の色
概要でも書いた通り、白身魚と赤身魚は肉の色による分類である。これに対して青魚(※2)は、体表の色による分類である。よって、例えば肉の色が赤く、背の色が青いイワシは「赤身魚」であり、「青魚」でもある。
2 青魚はEPA(エイコサペンタエン酸/血液をサラサラにする効果がある)とDHA(ドコサヘキサエン酸/脳の働きを活性化する効果がある)を多く含むことから、注目されている食材である。

イワシの刺し身
色素タンパク質の含有量
それでは、白身魚と赤身魚の違いについて説明する。両者の最大の違いは、「ミオグロビン(※3)」と「ヘモグロビン(※4)」という、色素タンパク質の含有量の違いである。
3 酸素を供給する働きを持つ、血液色素タンパク質のこと。赤色をしている。
4 酸素を運ぶ働きを持つ、筋肉色素タンパク質のこと。赤色をしている。
- 白身魚:100gあたり10mg以下
- 赤身魚:100gあたり10mg以上
赤身魚
まず赤身魚とは、色素タンパク質が100gあたり10mg以上の魚のことを指す。
赤身魚に分類される魚は、寝ている間も泳いでいる回遊魚である。そのための筋肉を働かせるには、大量の酸素が必要となる。そこで赤身魚には、多くのミオグロビンとヘモグロビンが含まれているというわけである。
そしてミオグロビンとヘモグロビンは上述の通り赤色をしているため、赤身魚の肉は赤く見える。
白身魚
白身魚とは、色素タンパク質が100gあたり10mg以下の魚のことを指す。
白身魚に分類される魚は通常、近海の浅瀬や岩礁などに生息しており、行動範囲が狭い。そのため赤身魚とは違い、泳ぎ続けるために大量の酸素を必要としない。よってミオグロビンとヘモグロビンの含有量が少ないことから、肉は白く見える。
なお、一見肉が赤く見えるサケは、白身魚に分類される。サケの肉の色を赤く見せているのは色素タンパク質ではなく、エビやカニなどの餌に含まれる「アスタキサンチン」である。

サケの刺し身
まとめ
白身魚 | 赤身魚 | 青魚 | |
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分類方法 | 肉の色 | 体表の色 | |
色素タンパク質の含有量 | 100gあたり10mg以下 | 100gあたり10mg以上 | - |