「交番」と「駐在所」と「派出所」の違いって?
POINT
交番 | 警察官が派遣され、通常は24時間の交代制で警察の仕事を行っている場所のこと。 |
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駐在所 | 居住施設があり、住み込みの警察官が仕事を行っている場所のこと。主に地方に存在する。 |
派出所 | 「交番」の昔の言い方のこと。平成に入って「交番」に正式名称が変更された。 |
「交番」「駐在所」そして「派出所」には、いわゆる“お巡りさん”(※)と呼ばれる警察官がいて、周辺地域の安全を守ってくれている点では共通している。しかしながら、三者には下記のような違いが見られる。
警察官の階級のひとつ、「巡査(じゅんさ)」に対する親しみを込めた言い方のこと。
記事の目次
「交番」と「派出所」の違いは時代
「派出所」とは、「交番」の旧称のことである。
「交番(正式名称を交番所という)」は明治7年、東京警視庁に初めて設けられた。明治14年には「派出所」に名称が変わり、明治21年には「派出所」という呼び方で全国的に統一された。
しかし市民の間には「交番」という呼称が浸透しており、さらには国際語としても通用されるほどであったため、平成6年に正式名称が「派出所」から「交番」へと改められた。
つまり「交番」と「派出所」の実態は同じであるといえる。
「交番」「派出所」と「駐在所」の違いは居住施設があるか
それでは、「交番」「派出所」と「駐在所」の違いは何かというと、警察官が居住しているかどうかである。
「交番」は主に都市部に設けられ、巡査などが派遣されて警察事務を執り行う場所である。ところによっては、巡査だけでなく警部や警部補などが派遣されている交番もある。通常は24時間制で、派遣された警察官たちは交替で任務を遂行している。
これに対して「駐在所」の多くは地方に存在する。勤務内容としては「交番」とほぼ同様であるが、こちらには警察官が常駐している。すなわち、原則として1人の警察官(主に巡査)が付随している居住施設に家族とともに住み込みで任務を遂行しているのである。