「国鉄」と「JR」の違いって?

POINT
国鉄(日本国有鉄道)1949年から1987年まで国の出資で鉄道事業を営んでいた公共性の高い事業体。分割民営化された。株式会社ではないので上場はしていない
JR1987年に国鉄の分割民営化によって生まれた7つの株式会社(※)。そのうち4社の株式が上場している

※JR7社・・・北海道旅客鉄道(JR北海道)・東日本旅客鉄道(JR東日本)・東海旅客鉄道(JR東海)・西日本旅客鉄道(JR西日本)・四国旅客鉄道(JR四国)・九州旅客鉄道(JR九州)・日本貨物鉄道(JR貨物

機関車人吉号

国鉄とJRの違い

国鉄とJRはどちらも日本国内で旅客鉄道業を営む(営んでいた)事業者である。簡単に説明すると国鉄が民営化して誕生したのがJRだが、詳しくは以下のような歴史・違いがある。

国鉄とは?

国鉄のマーク

国鉄のマーク

国鉄とは日本国有鉄道(JNR:Japanese National Railways)の略で、1949年に誕生した鉄道事業などを営む公共事業体(=国・地方公共団体による出資により公共性の高い事業を行う)だ。

日本政府の全額出資によって設立された。国が保有している会社なので、株式上場はしていない。国鉄は1964年に赤字を計上して以来、経営は悪化※。1986年には実質破綻状態となったため、国鉄改革が実施されることになった。

自動車・航空機との競争の激化、適時適切に運賃改定が行えなかったことなどが原因。

JRとは?

JRのマーク

JRのマーク

JRとはJapan Railways の略で、1987年に国鉄が分割民営化して誕生した企業の総称だ。

国鉄はいくつかの事業・部門を保有していたが、それぞれ以下のように分割された。一般的にJRというと、このうち鉄道事業を引き継いだ企業7社(イラスト赤字部分)を意味する。

国鉄の全体図

7社のうち、JR東日本・JR東海・JR西日本・JR九州の4社は上場している(2020年11月時点)。こういった民営化により、不採算路線の廃止・余剰人員の削減・輸送サービスの向上などが実現された。

現存する部門と役割
法人名役割
旅客鉄道事業株式会社
(JR北海道など)
旅客鉄道事業など
日本貨物鉄道株式会社
(JR貨物)
貨物鉄道事業など
鉄道情報システム株式会社
(JRシステム)
JRグループ関連情報システムの開発・運営など
公益財団法人鉄道総合技術研究所
(JR総研)
鉄道技術の研究・開発など