「推敲」と「校正」と「校閲」の違いって?

POINT
  • いずれも文章をよりよくするための作業のこと。
推敲(すいこう)よりよい字句・表現を考えて、文章を磨き上げること。
校正(こうせい)誤字脱字など、形式面の誤りをチェックして正すこと。
校閲(こうえつ)事実関係など、内容面の誤りをチェックして正すこと。

原稿用紙と万年筆

推敲と校正と校閲の違い

「推敲」「校正」「校閲」は、いずれも文章などをよりよいものにするために行う作業である。

「推敲」と「校正・校閲」は目的が違う

推敲(すいこう)はブラッシュアップする作業であるのに対し、校正と校閲は誤りを正す(=チェックする)作業という点で異なる。

推敲(※)とは、よりよい字句や表現を考え、練りなおすことをいう。

推敲という言葉は、唐代(古代中国)の詩人・賈島(かとう)の故事に由来する。賈島は自作の詩の一句「僧は推す月下の門」の「推す」を、「敲(たた)く」に変えたほうがよいか悩んでいた。そこへ居合わせた韓愈(かんゆ/唐宋八大家の一人)の助言を受け、敲くに改めたという。

一方で校正(こうせい)と校閲(こうえつ)は、字句や内容の誤りを正すことをいう。両者の違いについては、下記で詳しく説明する。

「校正」と「校閲」はチェックする内容が違う

校正と校閲は文章をチェックし、誤りを正す作業という点では同じである。しかし両者は、チェックする対象が違う。

校正とは、形式面のチェックである。誤字脱字・組み誤り・色の調子など、形式面をチェックし、誤りや不備を正す。

校正の例
  • 無我中で本を読む。 → 無我中で本を読む。

一方で校閲とは、内容面のチェックである。事実関係・文章中における矛盾の有無・固有名詞や数値など、内容に直接かかわる事項をチェックし、誤り・不備を正す。

校閲の例
  • 2022年は令和年だ。 → 2022年は令和年だ。

まとめ

推敲校正校閲
意味文章のブラッシュアップ文章のチェック
チェックする内容形式面内容面