「生け花」と「フラワーアレンジメント」の違いって?
生け花 | 草花を活ける日本の伝統文化のこと。できるだけ少ない草花を使って、空間を豊かに見せる。芸術性が高く、空間美・自然美を表現する。花だけでなく草木も使用し、剣山に非対称に活けていく。 |
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フラワーアレンジメント | 欧米で誕生した花の活け方のこと。ふんだんに花を使って、空間を埋める。実用性が高く、プレゼントにしても喜ばれる。造花を使うこともあり、吸水スポンジに左右対称もしくは非対称に活けていく。 |
記事の目次
概要
生け花とは?
生け花とは、草花を芸術的に生ける日本の伝統文化で、華(花)道とも呼ばれる。室町時代の初期、床の間を飾るものとして発達した。現在では池坊・小笠原流・草月流などといった流派が存在する。
フラワーアレンジメントとは?
フラワーアレンジメントとは欧米で誕生・発達した花の飾り方で、フラワーデザインとも呼ばれる。生け花の英訳としての意味もあるそうだが、基本的には生け花とは別物とされる。
生け花とフラワーアレンジメントの違い
生け花とフラワーアレンジメントは、ともに「花を飾る」という点では共通していることがわかる。しかし下記の点については、違いがみられる。
足し算の美学と引き算の美学
まず両者は、空間の見せ方が異なる。
- 生け花:空間を豊かに見せる(引き算の美学)
- フラワーアレンジメント:空間を埋める(足し算の美学)
生け花は使用する草花の数はできるだけ少なくし、空間を豊かに見せるのが特徴である。
一方でフラワーアレンジメントではふんだんに花を使用し、空間を埋めるのが特徴である。そのため生け花は「引き算の美学」、対してフラワーアレンジメントは「足し算の美学」ともいわれている。
芸術性と実用性
また両者は、芸術性と実用性という点に関しても違いがみられる。
- 生け花:芸術性が高い
- フラワーアレンジメント:実用性が高い
生け花は芸術性が高いということができる。なぜなら花を美しく生けるだけでなく、飾る場所の空間美を表現する芸術であるからである。また草花を活ける器にもこだわり、中には数十万円以上する高級な器が使われることもある。
一方でフラワーアレンジメントは、実用性が高いということがいえる。飾る場所が限られる生け花に対し、フラワーアレンジメントは場所や形に制限はない。そのため結婚式やお葬式の装飾、さらにはブーケやプレゼントなどにもすることができる。
材料・道具・活け方など
- 生け花:花以外の草木も使用/剣山/非対称
- フラワーアレンジメント:造花も使用/オアシス/左右対称もしくは非対称
生け花では季節の草花や木など、すなわち花以外の材料も使用して自然美を表現(※1)する。また「剣山」に草花を刺し、非対称に活けることで洗練された美しさを表現する。
1 高い位置に生えている草木は上段に、地面近くに生えている植物は下段に生けるのがセオリーとされる。
一方でフラワーアレンジメントでも、花以外の植物の素材を使用することがある。それだけなく、時には造花が使われることもある。吸水スポンジに花を刺し、左右対称もしくは非対称に配置して装飾性の高い作品を目指す。
まとめ
生け花 | フラワーアレンジメント | |
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発祥 | 日本 | 欧米 |
特徴 |
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