「ドライフラワー」と「プリザーブドフラワー」の違いって?
ドライフラワー | 花などを自然乾燥させ、長期保存できるようにしたもの。退色しやすく、硬い仕上がりになる。お手入れが必要で、寿命は短い。 |
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プリザーブドフラワー | 花などを特殊な液体に浸し、長期保存できるようにしたもの。色鮮やかでみずみずしい仕上がりになる。お手入れは基本的に不要で、寿命が長い。 |
記事の目次
概要
ドライフラワーとは
ドライフラワーとは、花・草・果実を鑑賞用に乾燥させたものをいう。ヨーロッパ北部で誕生したとされ、18世紀頃のヨーロッパでは観賞用・贈答品として親しまれるようになった。なお、日本国内で一般化したのは、1960年代以降とみられている。
ドライフラワーにはすでに枯れた草花を採集したり、乾燥剤を使用したりしたものも存在する。しかし、一般的には自然乾燥によって作られたものが多い。作り方としてはシンプルで、草花の根を上に向けて束ね、風通しの良い日陰に吊るして乾燥させる。
プリザーブドフラワーとは
プリザーブドフラワーとは生花を特殊な薬剤につけて乾燥させ、長期保存を可能とさせたものをいう。
英語ではpreserved flowerと書く。(preserveとは「保存する」という意味)あまり日本人には馴染みのない響きであることから、「ブリザードフラワー」という誤用もみられる。
プリザーブドフラワーが一般的になったのは、フランスの企業が開発に成功した1990年代以降であるため、ドライフラワーと比べると歴史は浅い。
ドライフラワーとプリザーブドフラワーの違い
ドライフラワーとプリザーブドフラワーは、いずれも長期保存できる草花である点では同じである。しかし下記の点においては、違いがみられる。
仕上がり
まず両者は、仕上がりが異なる。ドライフラワーは生花から水分を抜いて作るため、退色しやすく、手触りもカサカサで硬くなる。そのため強く触ると、壊れてしまうこともあるので注意が必要である。
他方でプリザーブドフラワーも生花から水分を抜くものの、保湿成分や色素などを含む液体に浸して作る。そのため見た目・手触りは生花に近く、鮮やかでみずみずしい仕上がりとなる。さらに自然界には存在しない色合いを表現することも可能である。
お手入れ
さらに両者は、お手入れの方法についても違いがみられる。まずドライフラワーに関しては、防虫対策・落ちガラの掃除といったお手入れが必要となる。
他方でプリザーブドフラワーに関しては、基本的にお手入れは不要である。ただし湿気と直射日光には弱い(※1)ため、それらを避けておく必要がある。できるだけ温度は18~25度、湿度は30~50%の環境下で保存することが望ましい。
1 これらの点は、ドライフラワーも一緒である。
寿命
さらに両者は、保存可能期間(寿命)についても違いがみられる。まずドライフラワーの寿命は3カ月から半年程度とされてるが、プリザーブドフラワーの寿命は数年間(※2)といわれている。ただしこれは、上述したように、正しい保存方法を守った場合である。
2 湿度の低いヨーロッパでは5~10年とされているが、湿度の高い日本はそれ以下と考えられている。
まとめ
ドライフラワー | プリザーブドフラワー | |
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作り方 | 自然乾燥 | 特殊な薬剤に浸す |
仕上がり | 退色しやすい・硬くなる | 鮮やか・みずみずしい |
お手入れ | 防虫・落ちガラの掃除など | 基本的には不要 |
寿命 | 3カ月~半年 | 数年間 |