「作務衣(サムエ)」と「甚平(ジンベイ)」の違いって?

POINT
作務衣雑務をする際、禅宗の僧が着ていたことに由来する和装のこと。季節を問わず着用されるため、長袖・長ズボンである。現在では作業着としてだけでなく、くつろぎ着としても着用されている。
甚平江戸時代の庶民が着ていたことに由来する和装のこと。主に夏場に着用されるため、半袖・半ズボンである。現在ではくつろぎ着として着用されている。

甚平

作務衣と甚平の違い

作務衣(さむえ)と甚平(じんべい/じんべえ)は、いずれも和装である点では同じである。しかし、下記のような点などについては違いがみられる。

由来

作務衣は元々、禅僧(※1)が日常の雑務(=作務)を行うときに着用する衣服であった。いわゆる作業着である。

1 禅宗(=日本国内では臨済宗・曹洞宗・黄檗宗のこと)の僧のこと

作務衣で作業する人

一方で甚平は、江戸末期の庶民が普段着として着用した「袖無し羽織」が「陣羽織(※2)」に似ていたため、「陣兵羽織」「甚兵衛羽織」と呼ぶようになったという説など(※3)がある。

2 武士が陣中で着用していた上着のこと

3 甚平という人物が作った、着ていたという説もある。

作務衣は基本的に、袖が長めで、裾を絞った長ズボンである。

作務衣のイラスト

一方で夏に着用される甚平は基本的に袖が短めで、半ズボンである。さらに脇の部分には、風通しを良くするためにタコ糸が編んである。

甚平のイラスト

着用する季節

作務衣はすべての季節において着用されるものである。

一方で甚平は、主にに着用されるものである。

着用の目的

作務衣はくつろぎ着として、もしくは仕事着として着用されている。例えば、居酒屋の店員のユニフォームになっていることも多い。

一方で甚平は主にくつろぎ着として着用されている。例えば、夏祭りなどに着ていく人も多い。

まとめ

 作務衣甚平
由来禅僧の作業着庶民の普段着
季節オールシーズン
長袖・長ズボン半袖・半ズボン・脇タコ糸
目的くつろぎ着/作業着くつろぎ着