「レアメタル」と「レアアース」の違いって?

POINT
レアメタル金属の一種。地球上にあまり存在しない、もしくはコストや技術面の問題で入手が困難であるものの、現代の産業には欠かせないとされる金属のこと。
レアアースレアメタルの一種。希土類とも呼ばれる。

鉱物のイラスト

レアメタルとは手に入れにくいが産業に欠かせない金属

金属を大まかに分類すると、

  1. ベースメタル
  2. 貴金属
  3. レアメタル

に分けることができる。

ベースメタルとは鉄や銅などの生産量が多く、一般的に大量に使用されている金属のことである。そして貴金属とは金や銀など、希少で耐腐食性がある金属のことを指す。

それらの金属に対してレアメタルとは、一般的に地球上に存在する量が稀である、もしくは稀でなくとも技術的・経済的に抽出が困難である金属のことで、さらに安定的供給が政策的に重要とされるものである。

政策的に重要な理由は、レアメタルを加えると素材の強度が増すという働きを持っていたり、発光ダイオードやスマートフォンなどにも利用できたりと、現代の産業ひいては生活にも欠かせない存在であるからである。

レアアースはレアメタルの一種

レアメタルとレアアースの関係図

レアメタルとしては、一般的に下記のような金属が挙げられる。

リチウム・ベリリウム・ホウ素・希土類・チタン・バナジウム・クロム・マンガン・コバルト・ニッケル・ガリウム・ゲルマニウム・セレン・ルビジウム・ストロンチウム・ジルコニウム・ニオブ・モリブデン・パラジウム・インジウム・アンチモン・テルル・セシウム・バリウム・ハフニウム・タンタル・タングステン・レニウム・白金・タリウム・ビスマス

レアアースとは上述の希土類と呼ばれる物質で、下記の17の元素からなるグループである。

スカンジウム(S)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)

その鉱床はユーラシア・オーストラリア・北米・南米の各大陸に分布していると言われ、世界需要の約半数を占める日本は中国を中心とした国からの輸入に頼っている。

中国におけるレアアースの埋蔵量は、世界の約4割とされている。しかしレアアース産業に力を入れてきた中国は、世界の生産量の大部分を占めてきた。そのため、領土問題の外交カードとしてレアアースを利用し、海外からの反発を招いたこともあった。