BRICsとVISTAとNEXT11とMENAの違いって?

POINT
BRICs広大な国土や天然資源、膨大な人口によって今後高い経済成長が見込まれる新興国のグループのこと。ブラジル・ロシア・インド・中国の4カ国を指す。
VISTAポストBRICsとして選ばれた5カ国のこと。BRICs同様、豊富な資源や人口の多さなどが特徴である。
NEXT11ポストBRICsとして選ばれた11カ国のこと。VISTAと比べると、選ばれた国々のグループとしては雑多な印象がある。
MENA中東(Middle East)と北アフリカ(North Africa)のこと。潤沢なオイルマネーを有し、今後の発展が期待できると言われている。

取引データの画面

経済成長が期待されている新興国のグループ名のこと

BRICs(ブリックス)・VISTA(ビスタ)・NEXT11(ネクスト・イレブン)・MENA(ミーナ)はいずれも、今後高い経済成長が見込まれている新興国のグループのことを指す。

経済状況が成熟した先進国への投資だけでは大きなリターンが望めないことから、世界中の投資家たちから注目を浴びているのが、それらの国々である。ただしこれらのグループはそれぞれの特徴があるので、以下で簡単に紹介する。

BRICsは広大な国土・豊富な天然資源と労働力を持つ

BRICsのロゴ

BRICsとはブラジル(Brazil)・ロシア(Russia)・インド(India)・中国(China)のことで、それぞれの頭文字から名付けられた。2003年、ゴールドマン・サックスが初めて使用して以来、頻繁に使用されるようになった。

これらの4カ国はいずれも国土が広大で天然資源にも恵まれており、さらには労働力の源泉となる多くの人口を抱えているという共通点がある。

VISTAはポストBRICsとして選ばれたグループ

VISTAとはベトナム(Vietnam)・インドネシア(Indonesia)・南アフリカ(South Africa)・トルコ(Turkey)・アルゼンチン(Argentina)の5カ国のことで、こちらもそれぞれの頭文字から名付けられた。2006年にエコノミストの門倉貴史氏が提唱した。ポストBRICsの最有力候補グループのことを指している。

ベトナム・インドネシア・トルコの3カ国は、人口の多さや国力といった点で期待ができ、南アフリカは資源が豊かであり、工業国としても可能性が見込まれている。さらにアルゼンチンは過去にデフォルト(※1)に陥ってはいるものの、南米ではブラジルに次いで成長の潜在性があるとして選ばれた。

※1 債務不履行のこと。国が借金を返せる見込みがない時に陥ることがある。

NEXT11もポストBRICsだが“ごちゃ混ぜ”のグループ

NEXT11もポストBRICsに続く新興国として期待されている11カ国として選出されたグループである。2005年、ゴールドマンサックスが提唱した。該当する国はメキシコ・ナイジェリア・韓国・ベトナム・インドネシア・バングラディッシュ・パキスタン・フィリピン・トルコ・イラン・エジプトである。

これらの国々には、人口の多さや潜在的経済規模の大きさなどといった共通点がある。一方では経済の発展水準や世界経済への統合度などの点では異なっており、非常に雑多なグループと言われている。

MENAはオイルマネーと地政学的リスク

製油所

MENAとは、中東(Middle East)と北アフリカ(North Africa)を合わせた地域のことを指す。両方の英語の頭文字から名付けられた。

具体的な地域は機関ごとに異なる(※2)が、一般的にこれに該当する国は石油や天然ガスなどの資源を豊富に持ち、そこから得た資金を技術の導入などに積極的に投資しているとされている。ただし、これらの地域には地政学的リスク(※3)が存在しているのも特徴である。

2 世界銀行においては、MENAをアラブ首長国連邦・アルジェリア・イエメン・イスラエル・イラク・イラン・エジプト・オマーン・カタール・クウェート・サウジアラビア・シリア・ジブチ・チュニジア・バーレーン・マルタ・モロッコ・ヨルダン・ヨルダン川西岸/ガザ地区・リビア・レバノンと定義している。

3 特定の地域が抱える政治、軍事的緊張感が経済の先行きを不透明にすること。