「IMF(国際通貨基金)」と「世界銀行」の違いって?

POINT
IMF
(国際通貨基金)
国際通貨制度安定のために設立された国際金融機関のこと。
世界銀行国際金融機関のグループで、開発途上国に融資を行う役割を担っている。

色々な国のお札

IMFと世界銀行の共通点

国際通貨基金、いわゆるIMF(International Monetary Fund)と世界銀行は、ともに国際金融機関であり、国連の専門機関である点では共通している。さらに、いずれも1944年7月に行われたブレトン・ウッズ会議において、その創立が決定された。日本も1952年、両者に加盟している。

IMFと世界銀行の最大の違いは設立の目的

このように共通点の多い両者だが、設立の目的が異なっている。

まずIMF設立の目的は、国際通貨制度(※1)の安定である。そのためIMFでは、加盟国の為替政策の監視・助言や、国際収支が著しく悪化した加盟国(※2)に対する融資などを行っている。

1 外国為替の相場や取引、国際収支の調整などに関する制度のこと。

2 加盟国の数は190か国。(2018年時点)

これに対して世界銀行(※3)設立当初の目的は、第二次世界大戦で戦災を受けた国の復興のためであった。現在では加盟している開発途上国(※4)の経済成長を助けるため、融資を行うことが主な役割である。他にも経済政策に対する助言や技術支援なども行う。

3 世界銀行という名前の銀行が存在しているわけではなく、世界銀行グループという複数の国際金融機関の集まりのことを指す。国際復興開発銀行(IBRD)や国際開発協会(IDA)などから成る。なお、ブレトン・ウッズ会議において設立が調印されたのは、国際復興開発銀行である。

4 発展途上国ともいう。