【あとつぎ】「後継ぎ」と「跡継ぎ」の違いって?
- どちらも後継者の意味。
後継ぎ | 前任者からあとを引き継ぐ人。 |
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跡継ぎ | 血縁者や養子など、一族の中で相続する人。 |
記事の目次
言葉の意味
後継ぎ
単に前任者からあとに引き継ぐ人の場合に使う。
芸道・武芸・学問・組織など、さまざまな分野の後継者のことを指し、血縁に関係なく後任する人のこと。
跡継ぎ
特に血縁関係で引き継ぐ後継者において使われる。
血縁者・養子など一族の中でなにかを相続する人である。単に家を継ぐような意味合いから、家業の世襲、一族であることに特別な意味のある芸事などを引き継ぐ場合にも使われる。
養子にして一族内に引き入れたものに継がせることで、一族外への技術の流出を防ぐような場合も多くある。
言葉の使い方
家督や家名を引き継ぐ場合
- (例)
- 我が家の後継ぎ/跡継ぎ
ほぼ同じような意味で使われ、全般的に後継者を意味する「後継ぎ」を使うことが多い。皇族など特別な一族の世襲のとき、なにか相続するようなものがあるとき、もしくは古い制度である家督の意味などを強調するときに「跡継ぎ」が使われる。
家督とは長男や長女が一切を相続する権利のことで、明治時代には民法でも定められていたものである。現在では制度自体は廃止され一部で残っているのみになり、一般的には「家長」「名字を継ぐ」「墓守をする」などの意味合いで残っている。
芸道・武芸・学問などを引き継ぐ場合
- (例)
- ○○一門の後継ぎ/跡継ぎ
一門とは、一族や流派を指す言葉でさまざまな場所で使われている。
「後継ぎ」では、○○一門を背負って立っている師匠のあとを継ぐものというニュアンスになり、「跡継ぎ」は、当主が存在し、次の代へ世襲で引き継ぐような意味合いになる。
組織などを引き継ぐ場合
- (例)
- 社長の座をめぐる後継ぎ/跡継ぎ問題
「後継ぎ」の場合、組織としての後継者という意味から、地位を引き継ぐものというだけの意味になり、財産を相続するような意味は含めない。そのため「総裁の後継ぎ」などの言い方もされる。
「跡継ぎ」の場合、一族経営の会社で家業を相続する人を意味する。
漢字の意味
後の字は「順序が遅いうしろ」という意味から、後任者という意味で使われる。単純な後任という意味だけでなく、技術をあとに継ぐ人も含む。
跡の字は「何かが残したのもの」という意味から転じて「相続」を意味する。子々孫々受け継いでいくことを意味する。