「港」と「波止場」の違いって?
POINT
港 | 船が出入りでき、旅客が乗り降りをしたり、荷物の積み下ろしができたりする場所のことをいう。 |
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波止場 | 船着き場のことで、港の施設のひとつである。 |
記事の目次
港とは何か
港とは船が安全に出入り・停泊が可能で、旅客の乗降や貨物の積み下ろしなどができる場所のことをいう。「水(み)の門(と)」がその語源といわれている。
港にはいくつかの分け方がある。例えば港湾法で規定されている「港湾(こうわん)」や、漁港漁場法(漁港法)で規定されている「漁港」という風に分けることができる。
他にも立地上の区分(海港・河口港・湖港など)や機能上の分類(商港・工業港など)も存在しているが、それらをひっくるめて慣用的に港と呼んでいる。
波止場は港の一部
これに対して波止場(はとば)とは、船着き場のことである。波止場は古くからある言葉(※)で、近代化が進んだ明治以降は「埠頭(ふとう)」と呼ばれることが多くなった。
波止場の語源としては中国語の馬頭から転じた説、泊(ハテ)から転じたという説などがある。
先ほど触れた「港」とは、いくつかの施設の集合体であるということができる。例えば港湾法において港湾施設とは、水域施設・外郭施設・係留施設・荷さばき施設・保管施設などと規定されている。すなわち、防波堤や倉庫なども港の中に含まれるということである。
話を戻すと、波止場も港の中の一つの施設であるといえる。例えば幕末に開港した横浜港では、東波止場(イギリス波止場)と西波止場(税関波止場)という二つの波止場が当時造られている。そのうちの東波止場が、現在の“象の鼻”の原型となっている。