「赤味噌」と「白味噌」の違いって?

POINT
赤味噌赤っぽい色をした味噌のこと。メイラード反応を促進させて作る。塩分濃度は高めで、辛口のものが多い。
白味噌白っぽい色をした味噌のこと。メイラード反応を抑えて作る。塩分濃度は低めで、甘口のものが多い。

赤味噌と白味噌

赤味噌と白味噌の違い

一般的に赤っぽい色をしている味噌を「赤味噌」(ただし愛知県では豆味噌のことを指す)、白っぽい色をしている味噌を「白味噌」という。原材料はいずれも大豆・米麹・塩などである。

作り方

赤味噌と白味噌の色の違いは、主に作り方の違いによるものである。

メイラード反応について

まずはメイラード反応ついて説明したい。

メイラード反応とは、アミノ酸(たんぱく質の構成要素)と糖が反応し、褐色に変化する現象のことである。

味噌の原料である大豆や米麹にはアミノ酸が含まれているので、製造過程でメイラード反応が進めば、味噌は赤くなるといえる。

言い換えれば、メイラード反応を促進させて作るのが赤味噌抑えて作るのが白味噌である。

赤味噌

赤味噌

赤味噌はまず、大豆を高温で蒸す。糖質・たんぱく質は蒸すことで、麹の酵素の働きにより糖やアミノ酸に分解されやすくなる。

すなわち、蒸すことでメイラード反応を起こりやすくしている。その後も発酵・熟成期間を長めにとり、さらに着色を進めている。

白味噌

白味噌

他方で白味噌はまず、大豆を煮る。煮ることによって、たんぱく質や糖を水に溶かすことができる。

すなわち、煮ることでメイラード反応を抑えられる。その後の発酵・熟成期間も短めにとるのが一般的である。

塩分濃度・味など

赤味噌の塩分濃度は5~7%あるいは11~13%といわれ、一般的に白味噌よりも高い。また旨味が強く、辛口のものが多く、煮込み料理や懐石料理などによく使われる。

他方で、白味噌の塩分濃度は5~7%といわれ、一般的に赤味噌よりも低い。あっさりとして、甘口のものが多く、酢味噌和えや田楽などによく使われる。

地域

赤味噌は、主に東日本を中心として作られている。例えば仙台味噌、会津味噌などである。

他方で白味噌は、主に西日本を中心として作られている。例えば西京味噌・府中味噌(広島県)などである。

まとめ

赤味噌白味噌
原材料大豆・米麹・塩など
赤っぽい白っぽい
メイラード反応促進抑制
大豆蒸す煮る
熟成期間長い短い
塩分濃度高い低い
風味旨味強い・辛口
→煮込み料理・懐石料理など
あっさり・甘口
→酢味噌和え・田楽など
地域東日本西日本