「ゼロ」と「零(レイ)」の違いって?

POINT
ゼロまったく何もないこと・数
零(レイ)
  • ゼロと同じ意味
  • きわめて小さいことなど

ZERO

概要

大きな0のロゴ

ゼロとは

まず、ゼロには下記のような意味がある。

  1. 何も存在しない数(=0)(※)
  2. 何もないこと

ゼロの概念は紀元前のインドで生まれ、その後ヨーロッパに伝わったという。

「ある数に足しても引いても、その数が変わらない数」「x+0=xとなる唯一の実数」など、様々な表現ができる。

零(レイ)とは

他方で零(レイ)には、下記のような意味がある。

  1. ゼロ(何も存在しない数)と同義
  2. きわめて小さい 例「零細企業」など
  3. 落ちぶれる 例「零落」など
  4. 水滴などが落ちる 例「零雨」など

ゼロと零(レイ)の違い

0と1のバイナリ

このようにゼロと零(レイ)は、いずれも「何もない数を表す」という点では共通している。しかし下記の点においては、違いがみられる。

意味する範囲

まず両者は、カバーしている意味の範囲が異なっている。

  • ゼロ:まったくないこと
  • 零(レイ):まったくないこと+きわめて小さいこと

概要でも触れた通り、ゼロはまったく何もないことのみを表すが、零(レイ)はそれ以上の意味を持っている。

例えば、天気予報の降水確率0%は「ゼロパーセント」ではなく、「零(レイ)パーセント」と読み上げられる。これは1%の位は四捨五入されるため、実際には0%から5%未満という幅が存在するからである。

そのため厳密に言うと、雨の降る可能性はまったくないわけではないから、可能性が皆無の「ゼロ」ではなく、可能性がきわめて小さい「零(レイ)」と読むというわけである。

以上のように、「きわめて小さいこと」という意味を含める場合には零(レイ)を用いる。

一方、「まったくないこと」という意味で使用する際は、ゼロと零(レイ)のいずれを用いるかについては明確なルールなどはなく、慣習などにもよる場合がある。

慣習によって使い方が決まっている例
  • 「やる気ゼロ」
  • 「海抜ゼロメートル地帯」
  • 「0点」(読み:レイ点) など

外来語か否か

また両者は、外来語か否かという点でも異なる。

  • ゼロ(ZERO):英語(外来語)
  • 零(レイ):漢語(日本語)

ゼロは英語zeroから来ており、日本に入ってきたのは明治時代と考えられている。すなわち外来語であり、日本におけるゼロの歴史は浅い。一方で零(レイ)は古来に中国から伝来し、日本語となった漢語である。