「直接民主制」と「間接民主制」の違いって?
POINT
直接民主制 | 国民が直接政治に参加すること。近代国家では採用することは難しい仕組み(例外あり)。 |
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間接民主制 | 国民が代表者を選び、その者に政治を任せること。世界の多くの国で採用されている仕組み。 |
記事の目次
直接民主制と間接民主制の違い
「直接民主制」と「間接民主制」は、いずれも民主制(みんなの話し合いで決める)の政治制度の一つである。
直接民主制とは?
直接民主制とは、国民が直接政治に参加する仕組みをいう。
すなわち国民全員が議論に参加することで、みんなの意思を政治に反映しようというものである。典型例として、古代ギリシアの都市国家で行われた民会(ただし権利を有する者は、自由民の成年男子に限られていた)を挙げることができる。
いわば民主主義の原点ともいえる仕組みである。一方、例えば現代の日本を舞台に考えてみて欲しい。選挙権を持っている国民が日本のどこかに、同じ時間に集まって、全員で議論をすることはほぼ不可能である。このように、近代国家において直接民主制を採用することは現実的でない。
間接民主制とは?
間接民主制とは、国民が政治決定を行う機関の構成員を選ぶことによって、間接的に政治に参加する仕組みをいう。
直接民主制と対立する概念であり、「代表民主制」や「代議制」などとも呼ばれる。典型例として、現代各国で広く行われている議会制統治(選挙で選ばれた議員たちが、議会で話し合って政治を行う方法)を挙げることができる。
現代の多くの国々では間接民主制が採用されている。日本もそれらの国の一つであるが、下記のように、部分的には直接民主制が取り入れられている。
- 憲法改正に関する国民投票
- 憲法改正には最終的に有権者全員の投票が必要
- 最高裁判所裁判官の国民審査
- 最高裁判所の裁判官が、その職務に適切な人物かを有権者に問う制度(衆院選にあわせて実施される)
まとめ
直接民主制 | 間接民主制 | |
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仕組み | 有権者が直接政治に参加する | 有権者が代表者を選び、その者に政治を任せる |
典型例 | 古代ギリシア・都市国家の民会 | 現代の議会制統治 |
近代国家における 採用のしやすさ | ✕ | 〇 |