「ナン」と「チャパティ」の違いって?

POINT
ナン小麦粉(精白粉)を主原料とした生地を、発酵させて作るパンのこと。
チャパティ小麦粉(全粒粉)を主原料とした生地を、発酵させないで作るパンのこと。

大きいナン

概要

ナンとは

ナン

まずナンとは、主にインドや中近東などで食されているパンのことである。小麦粉に牛乳・バターなどを練りこんで発酵させた生地を、「タンドール」という窯の内側に貼り付けて焼く(下記の写真)。カレーとともに食されるものである。生地を発酵させるため、ふっくらしてもちもちとした食感が特徴。

タンドールで焼くナン

タンドールで焼くナン

チャパティとは

チャパティ

チャパティとは、主にインドや中近東で食されているパンのことである。小麦粉に塩・水を練りこんだ生地を、「タワー(タワ)」という円形の鉄板フライパンなど(※)で焼く。カレーとともに食されるものである。生地を発酵させないためふっくらはしていないが、全粒粉独特の香ばしさがあるのが特徴。

タンドールで焼くこともある。

タワーで焼くチャパティ

タワーで焼くチャパティ

ナンとチャパティの違い

ナンとチャパティはいずれも、インドなどでカレーとともに食べるパンである。同じように見える両者ではあるが、下記のような違いがある。

小麦粉の種類と生地の発酵

まず両者は、原材料となる小麦粉の種類が違う。さらに生地を発酵させるか否か、という点においても異なっているので説明する。

  • ナン:精白粉/発酵させる
  • チャパティ:全粒粉/発酵させない

まず、ナンは精白粉を主原料とした生地を、発酵させて作る。そのため、焼き上がりはふっくらとしている。精白粉とは、胚芽(はいが)や表皮を取り除いて挽いた小麦粉のことで、一般的にイメージされる小麦粉のことである。

小麦の構造

小麦の構造

出典:乾めんの館「乾めんの原料

一方でチャパティは、全粒粉(ぜんりゅうふん)を主原料とした生地を、発酵させずに作る。全粒粉とは、胚芽や表皮をと取らずに挽いた小麦粉のことである。すなわち「小麦」の精白粉と全粒粉の関係は、「米」で言うところの白米と玄米にあたる。

全粒粉

全粒粉

一般家庭で作れるか

また両者は、インドの一般家庭でも作れるか否かという点でも異なっている。

  • ナン:作れない
  • チャパティ:作れる

まずナンは上述の通り、タンドールで焼き上げて作る。ところがタンドールは、インドであっても一般家庭にあるものではない。よって一般家庭では作ることができないため、インドでもナンを食べるときは、店やレストランなどに行く必要がある。

一方でチャパティは一般家庭でも作ることができるため、インド(特に北インド)ではよく食べられている。

まとめ

ナンチャパティ
小麦粉の種類精白粉全粒粉
生地を発酵させるか?
インドの家庭料理か?