「ビタミン」と「ミネラル」の違いって?

POINT
ビタミン生命の維持に欠かせない栄養素のうちの一つで、有機化合物。エネルギーの代謝を助けるなどの働きをするが、体の構成成分とはならない
ミネラル生命の維持に欠かせない栄養素のうちの一つで、無機物。様々な働きをしており、体の構成成分となることもある

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概要

ビタミンとは

まずビタミンとは、生体の発育・維持に不可欠となる有機化合物の総称をいう。具体的には、下記のような働きをしている。

  • 代謝を助ける(※1)
  • 健康体を維持する など

1 エネルギーを作り出す「クエン酸回路(TCA回路)」をスムーズに回す潤滑油のような存在

ビタミンには様々な種類があるが、性質によって以下の二つに大別することができる。

  1. 水溶性ビタミン:水に溶けやすい・熱に弱い(例:ビタミンB群・ビタミンC
  2. 脂溶性ビタミン:油に溶けやすい・熱に強い(例:ビタミンA・D・E

ミネラルとは

他方でミネラルとは、生理作用に必要となる無機物のことをいう。具体的には、下記のような働きをしている。

  • 歯・骨などを構成する
  • 神経・筋肉機能を正常に保つ
  • 水分バランスを調整する など

摂取しなければならないミネラルを「必須ミネラル」というが、体に含まれる量によって、これも以下の二つに大別することができる。

  1. 主要ミネラル:1日の必要摂取量100mg以上(例:カルシウム・カリウム・ナトリウム
  2. 微量ミネラル:1日の必要摂取量100mg未満(例:鉄・亜鉛・ヨウ素

ビタミンとミネラルの共通点

五大栄養素のイメージ

五大栄養素のイメージ

ビタミンとミネラルは五大栄養素(※2)の一つである。そして両者は、いずれも人間の体内では作ることができない(※3)ため食品などから摂取する必要があるという点でも共通している。

2 他にはたんぱく質・糖質・脂質があり、これらを「三大栄養素」と呼ぶ。ビタミンとミネラルは微量の摂取で足りるため、三大からは外れている。

3 例外あり 例:ビタミンDは体内で合成される。

また両者は生体には欠かせない栄養素であるため、不足すると欠乏症(※4)になる。その一方、過剰に摂取した場合も弊害(※5)がある。

4 例:【ビタミン】ビタミンB1不足→脚気(かっけ)【ミネラル】鉄不足→貧血

5 例:【ビタミン】ビタミンA過剰→脱毛【ミネラル】ナトリウム過剰→高血圧

ビタミンとミネラルの違い

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それでは、ビタミンとミネラルの違いについて説明する。

体の構成成分となるか?

まず両者の違いとして挙げられるのは、体の構成成分となるか否かという点である。ミネラルは体の構成成分となる

例えばカルシウムは骨や歯となり、鉄であれば赤血球の構成要素となる。これに対してビタミンは、体の構成成分とならない

炭素を含むか?

また両者は炭素を含んでいるか否か、という点でも異なる。ビタミンは有機化合物であるため、炭素を含んでいる

これに対してミネラルは無機物である。そのため炭素を含まない物質である。

まとめ

 ビタミンミネラル
働きの例
  • 代謝を助ける
  • 健康体の維持
  • 体の構成成分となる
  • 神経・筋肉機能を正常に保つ
分類
  • 水溶性ビタミン
  • 脂溶性ビタミン
  • 主要ミネラル
  • 微量ミネラル
共通点
  • 五大栄養素の一つ
  • 微量を摂取すれば足りる
  • 基本的に体内で作り出すことができない
  • 不足も過剰もNG
【違い】体の構成成分ならないなる
【違い】炭素含む含まない