「わらび」と「ぜんまい」と「こごみ」の違いって?

POINT
  • いずれも春頃が旬の山菜。
わらびコバノイシカグマ科のシダ植物で、日当たりのよい場所に生える。若芽は握りこぶしのような形で、茎は深緑・茶色。必ずアク抜きをしてから食べる。
ぜんまいゼンマイ科のシダ植物で、湿り気のある場所に生える。若芽はうずまき状で、茎は緑・茶色。綿毛に被(おお)われている。アク抜き後、乾燥させてから食べる。
こごみ(クサソテツ)オシダ科のシダ植物で、湿り気のある場所に生える。若芽はうずまき状で、茎は濃い緑色アク抜きをしなくても食べられる

ざるに入った山菜

わらびとぜんまいとこごみの違い

「わらび(蕨)」「ぜんまい(薇)」「こごみ(屈)」は、日本人の食生活になじみの深い山菜である。いずれもシダ植物であり、食用とするのは若芽の部分である。

  • わらび:コバノイシカグマ科
  • ぜんまい:ゼンマイ科
  • こごみ(クサソテツ):オシダ科

見分け方(形・色)

わらび

わらび

「わらび」「ぜんまい」「こごみ」は、見た目もまったく異なっている。

わらびの若芽は、先端が握りこぶしのような形をしている。茎は深緑(青み・黒みがある濃い緑)や茶色をしている。

ぜんまい

ぜんまい

ぜんまいの若芽は、先端がうずまき状である。茎は緑や茶色をしており、全体が綿毛に被われている。なお、ばねの一種である「ぜんまいばね」は、植物のぜんまいに似ていることから名づけられた。

こごみ

こごみ

こごみの若芽も、先端がうずまき状である。茎は濃い緑をしており、若葉が生えている。「こごめ」という名前は、若芽が人の屈む(かがむ)姿に似ていることに由来する。

自生している場所

自生するゼンマイ

まず、「わらび」「ぜんまい」「こごみ」は自生している場所が異なる。わらびは、平地から山地にかけて、草地・土手・林縁といった日当たりのよい場所に自生している。

一方方でぜんまいは、平地から高山にかけて、湿った草地・沢沿い・湿原といった湿り気のある場所に自生している。また、こごみも山地の林床(りんしょう)・沢沿い・山里の草地といった湿り気のある場所に自生している。

食べ方

山菜の胡麻和え

「わらび」「ぜんまい」「こごみ」は、食べ方にも違いがある。

わらびはアクが強い。さらに、プタキロサイドという発がん物質を含んでいる。この成分はアク抜きをすれば分解されるため、必ず重曹などでアク抜きを行う。煮物・炒め物・おひたし・和え物などにして食べるとおいしい。

ぜんまいもアクが強いため、重曹などでアク抜きを行なう。通常は、その後乾燥させる(必須ではない)。食べる際は、乾燥させたものを水に戻す必要がある。煮物・炒め物・和え物・味噌汁の具などにして食べるとおいしい。

一方、こごみはアクが強くないので、アク抜きは必要ない。水洗いをし、熱湯で2~3分程度茹(ゆ)でるだけでよい。おひたし・和え物・炒め物・天ぷらなどにして食べるとおいしい。

旬の目安
  • わらび:4~6月
  • ぜんまい:3~6月
  • こごみ:3~5月

まとめ

わらびぜんまいこごみ
(クサソテツ)
コバノイシカグマ科ゼンマイ科オシダ科
自生する場所日当たりのよい場所湿り気のある場所湿り気のある場所
見分け方【若芽】握りこぶしのような形
【茎】深緑・茶色
【若芽】うずまき状
【茎】緑・茶色
【若芽】うずまき状
【茎】濃い緑
食べ方アク抜き
(発がん物質を分解するために必須)
アク抜き+乾燥アク抜き不要
(茹でる程度でOK)