「修正」と「訂正」の違いって?

POINT
修正間違い・不十分・不適当なところなどを直すこと。他人に使ってもミスを強調しないので、あまり嫌な印象を与えない
訂正間違いを直すこと。他人に使うと、ミスを強調してしまい、嫌な印象を与えることがある。

採点された解答用紙

修正と訂正の違い

修正と訂正は、いずれも「間違いなどを正す・直す」という意味では共通する。ただし下記のような点においては、両者に違いがみられる。

正す・直す対象

まず両者は、正す・直す対象の範囲が異なっている。

修正と訂正の図解

修正によって正す範囲は、不十分や不適当など、誤りと言い切れるもの以外も含まれる。

一方で訂正によって正す範囲は、誤りだけである。すなわち、訂正よりも修正のほうが、その対象とする範囲が広い(※)といえる。

さらに訂正には、言葉・文章・文字の誤りを直すというときに用いられる傾向がある。

与える印象

また両者は、その言葉を使うことによって他人に与える印象も違ってくる。

  • 修正:柔らかい印象
  • 訂正:きつい印象

「訂正」は相手の誤りを強調してしまうがメリットも

指をさしているところ

訂正とは誤りを正すという意味であることから、「訂正」を使うと、誤りの存在を認めているということになる。例えば、相手の言動や文章などに対して「訂正」を求めた場合には、相手が間違っていると指摘することになる。

すなわち、相手にきつい印象を与えてしまうため、時と場合によっては不都合なケースも出てくる。

一方、自分に対して「訂正」を使うと、自分の誤りを認めているという姿勢が伝わりやすいというメリットもある。

「修正」は相手の誤りを強調しない

一方で、修正とは誤り以外も正すという意味であった。相手の言動や文章などに対して「修正」を求めても、必ずしも相手の誤りを指摘するものではない。より良い状態に導く、改善を依頼するといった表現となる。すなわち修正は訂正と比べて、柔らかい印象を与えることができる言葉であるといえる。

まとめ

  • 正す範囲:修正 > 訂正
  • 与える印象による使い分け:【相手】修正【自分】訂正