「ピーナッツ」と「アーモンド」の違いって?

POINT
ピーナッツ豆類に分類される食べ物。高脂質・高カロリーで、ビタミンEの一種であるγ-トコフェロールも多い。加工品などには、アレルギー表示が義務付けられている。
アーモンドナッツ類に分類される食べ物。高脂質・高カロリーで、ビタミンEの一種であるα-トコフェロールも多い。加工品などには、アレルギー表示が推奨されている。

器に入ったピーナッツ

ピーナッツとアーモンドの違い

ピーナッツとアーモンドは、いずれもナッツにくくられる食べ物である。

分類

植物としてのピーナッツとは、マメ科の一年草(=落花生)、つまりである。地中に生(な)るを食用としている。

ピーナッツ

ピーナッツ

収穫後の落花生

収穫後の落花生

一方で、植物としてのアーモンドとはバラ科の落葉高木、つまりである。果実(木の実)が実り、その種の仁(じん/種の内側)の部分を食用としている。なお、果肉部分は薄いので食用にならない。

アーモンド

アーモンド

アーモンドの果実

アーモンドの果実

ピーナッツとアーモンドはナッツに“くくられる”と書いたが、厳密にいうと、ピーナッツはナッツ類ではない。ナッツとは、木の実を指すのが一般的だからである。豆(=草の実)であるピーナッツは豆類に、木の実であるアーモンドはナッツ類に分類される。

栄養素

たくさんのアーモンド

ピーナッツとアーモンドの主成分は、いずれも脂質である。よって、ともにカロリーは高い。とはいえ、脂質のほとんどは不飽和脂肪酸(※1)であるため、健康効果が期待される。

1 悪玉コレステロールを下げたり、動脈硬化を予防したりする働きがある脂肪酸。オレイン酸・リノール酸など。

ピーナッツに含まれる栄養素で特筆すべきは、γ-トコフェロール(ビタミンE)の高さである。γ-トコフェロールは、ナトリウムの排泄(はいせつ)を促す働きがあることで知られている。その他、たんぱく質・食物繊維・カリウムなども豊富である。なお、1日20粒程度が目安とされる。

一方、アーモンドに含まれる栄養素で特筆すべきは、α-トコフェロール(ビタミンE)の高さである。α-トコフェロールは、抗酸化作用があることで知られている。その他、たんぱく質・食物繊維・カリウム・カルシウム・鉄・ビタミンB2なども豊富である。なお、1日20粒程度が目安とされる。

ピーナッツとアーモンドの栄養価(可食部100gあたり)
ピーナッツアーモンド
カロリー(kcal)562587
たんぱく質(g)25.419.6
脂質(g)47.551.8
食物繊維(g)7.410.1
カリウム(mg)740760
カルシウム(mg)50250
鉄(mg)1.63.6
ビタミンE
(α-トコフェロール)(mg)
10.130.3
ビタミンE
(γ-トコフェロール)(mg)
6.00.8
ビタミンB20.101.06

(文部科学省日本食品標準成分表より作成:ピーナッツは「らっかせい 乾 大粒種」、アーモンドは「アーモンド 乾」の数値参照)

アレルギー

板の上のピーナッツ

ピーナッツとアーモンドは、いずれもアレルギー症状を引き起こす食品である。

特にピーナッツは、アナフィラキシーショックなどの重篤な症状を起こしやすい、代表的食品である。食品表示法では「特定原材料」(※2)の一つに指定されており、ピーナッツを使用した加工食品や添加物には、アレルギー表示が義務付けられている。

2 卵・乳・小麦・そば・落花生 (ピーナッツ)・えび・かにの7品目が指定されている(2022年時点)。

一方でアーモンドは、ピーナッツより発症者数は少なく、重症度も低いとされる(症状が重い人は、アナフィラキシーショックなどを起こす可能性あり)。食品表示法では「特定原材料に準ずる食品」(※3)の一つに指定されており、アーモンドを使用した加工食品や添加物には、アレルギー表示が推奨されている。必ず表示されているわけではないので、アレルギーを持っている人は注意が必要である。

3 大豆・くるみ・カシューナッツ・牛肉・鶏肉・豚肉・さけ・さば・あわび・いか・いくら・オレンジ・キウイ・桃・りんご・バナナ・ゼラチン・ごま・マツタケ・やまいも・アーモンドの21品目(2022年時点)。

まとめ

ピーナッツアーモンド
分類豆類ナッツ類
栄養素不飽和脂肪酸が豊富・高カロリー
γ-トコフェロール(ビタミンE)・たんぱく質・食物繊維・カリウムなどが豊富
(目安:1日20粒)
α-トコフェロール(ビタミンE)・たんぱく質・食物繊維・ビタミンB2などが豊富
(目安:1日20粒)
食品表示法特定原材料に指定
→ アレルギー表示は義務
特定原材料に準ずる食品に指定
→ アレルギー表示は推奨