「そうめん(素麺)」と「ひやむぎ(冷や麦)」の違いって?

POINT
  • どちらも小麦粉などから作る細い麺類。
そうめん本来は手で引き延ばして作るものをいう。機械で作られた製品の場合、冷や麦よりも細いものを指し、日本農林規格では麺の長径が1.3mm未満に規定されている。
冷や麦うどんよりも細く切って作るものという。機械で作られた製品の場合、そうめんよりも太いものを指し、日本農林規格では麺の長径が1.3mm以上1.7mm未満に規定されている。

そうめんの束

概要

茹でたそうめん

そうめんとは

そうめん(素麺)とは小麦粉などを使って作る、ごく細い乾麺のことである。茹でて冷水などで冷やしたものを汁につけたり、煮込んだり(※1)して食べる。

1 煮たものは特に「にゅうめん」と呼ばれる。

そうめんの作り方としては、以下の2種類ある。

  1. 手延べそうめん:手で引き延ばす製法 (本来の製法)
  2. 機械そうめん:生地を帯状に細く切る製法(うどんと同じ製法)

冷や麦とは

冷や麦とは小麦粉などを使って作る、細い麺類のことである。茹でて冷水などで冷やしたものに、汁をつけて食べる(※2)。よって、主に夏場に食べられることが多い。

2 熱したものは「熱麦(あつむぎ)」と呼ばれる。

そうめんと同様、冷や麦の作り方には(1)手延べ(2)機械の2種類がある。とはいえ、その工程はほぼうどんと同じである。ただし冷や麦は、うどんより細く切られるという特徴がある。

そうめんと冷や麦の違い

そうめんと冷や麦はいずれも、小麦粉などを使って作る細い麺類という点では同じである。しかし両者は、下記の点において違いがみられる。

干されているそうめん

本来の製法

両者はまず、本来の製法が異なっている。

  • そうめん:伸ばす
  • 冷や麦:切る

そうめん(素麺)は本来、生地を手で引き伸ばして作るものである。一方で冷や麦は、生地を麺棒で伸ばし、刃物で切り分けて作るものである。

手延べそうめん

JAS規格による分類

以上、本来の製法による違いであった。しかし、近年は機械そうめんが増えているため、本来の製法のみによる分類が難しくなった。そこで日本農林規格(JAS)では、製法と太さ(長径)による分類を規定している。

乾燥したそうめん

機械で作る場合

まず機械によって作る場合、下記のように分類される。

  • 長径1.3mm未満 → そうめん
  • 長径1.3mm以上1.7mm未満 → 冷や麦

手延べで作る場合

また手延べによって作る場合、長径1.7mm未満であれば、「そうめん」「冷や麦」のいずれを名乗っても良いとされている。

なお製法にかかわらず、長径1.7mm以上ならば「うどん」、幅4.5mm以上で厚さが2.0mm未満であれば「きしめん」に分類される。

まとめ

分類そうめん冷や麦
手延べ製法引き延ばす切る
機械長径1.7mm未満
機械長径1.3mm未満長径1.3mm以上1.7mm未満