「萩(はぎ)」と「荻(おぎ)」の違いって?

POINT
萩(ハギ)秋の七草のひとつで古くから日本で親しまれている木。しだれた枝にたくさんの紅紫色の小さな花をつける。
荻(オギ)ススキに似たイネ科の草で、秋に穂をつける。

ハギ

植物の特徴

ハギ

ハギの花

マメ科ハギ属の総称で落葉低木。ハギ属は約40種あり、その中でも特にヤマハギ・ミヤギノハギ・ニシキハギ・ツクシハギ(ときにはマルバハギも)がハギと呼ばれる品種にあたる。

花は7月から10月に咲き、紅紫色・白・帯黄白色で蝶のような形をしている。花をつけると枝がしだれるものが多く、その形状や咲き乱れる小さな花が観賞用として好まれる。生育が早いため、観賞用以外では飼料用や斜面の補強などにも使われる。

古くから親しまれている花で、平安時代に書かれた和歌集である『万葉集』には160首の歌があり、そのうち141首にハギが登場している。

ハギと関係のある物事

ハギと関係のある物事

秋の七草のひとつで、秋の風習に結びつきが深い。春の七草は食べ物として粥にいれるものだが、秋の七草は観賞用で中秋の名月に行われる「お月見」にススキや萩を含める7つの植物を供えるというお供え物である。

お菓子の「おはぎ」は萩からきており、同じお菓子を春は牡丹から「牡丹餅(ぼたもち)」、秋は萩から「御萩(おはぎ)」と呼ぶ。

花札の7月の札に「萩に猪」で描かれているのも有名。

山口県の市で「萩市」がある。

オギ

オギ

イネ科で茎が太く、高さは1m~2.5m、幅は1m~3mにも成長する大型の多年草。9月から10月にかけて、大きくふさふさとした銀白色の穂をつける。茅葺屋根(かやぶきやね)の材料としてもよく用いられていた。

「ススキ」や「ヨシ」によく似ているが、下記のように生育場所が違う。

生育場所
  • ススキ:乾燥したところから湿地帯
  • ヨシ:水中
  • オギ:湿地帯
ススキ

ススキ

オギの穂はススキよりも白くふっくらとしており、ススキが株で生えるのに対し、地下茎でつながり広い範囲に群生するのが特徴。

群生する萩

群生する萩

漢字の見分け方

ハギ

ハギの解説

漢字の中に「秋」が入っている方が「萩(ハギ)」で、秋の読み方「あき(AKI)」と音が近いと覚えることができる。

オギ

オギの解説

漢字の中に穂のような形の「犭(けものへん)」が入っている方が「オギ」である。