「ジュゴン」と「マナティー」の違いって?
POINT
- ともにカイギュウ目に属する哺乳類で、絶滅危惧種に指定されている生物。
ジュゴン | 暖かい海域にすんでいる。尾びれは三角形、口は下向きといった特徴をもつ。 |
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マナティー | 川や湾などにすんでいる。尾びれは丸いしゃもじ型、口は上向きといった特徴をもつ。 |
※画像はマナティー
記事の目次
ジュゴンとマナティーの違い
ジュゴンはカイギュウ目ジュゴン科ジュゴン属、マナティーはカイギュウ目マナティー科に属する哺乳類である。
ともにカイギュウ目であり、さらに絶滅危惧種にも指定されていることから、似たようなイメージを持つ人も少なくない。ところが、両者には下記のような違いがある。
生息地
ジュゴンは暖かい海域、特に浅海に生息している。具体的にはインド洋から太平洋地域など、広く分布している。日本では沖縄でも見られることがある。
他方でマナティーは淡水域・汽水域(川や河口・湾など)に生息しており、生息地によって種類が異なる。具体的には、
- アメリカ・フロリダ~ブラジル → アメリカマナティー
- アフリカ・西海岸 → アフリカマナティー
- アマゾン川 → アマゾンマナティー
に分布している。これら3種のうち、特にアマゾンマナティーは外洋に出ないと言われている。
食べ物
両者はいずれも草食性であるが、ジュゴンはアマモ類(海草/海中に生える草)を食べる。
他方でマナティーは海草の他、ホテイアオイ(水草/淡水中などに生える草)マングローブの葉なども食べる。なお、水族館などではマナティーの餌として、レタスなどの野菜も与えているという。
体の形
一見両者は似たように見える。しかし詳しく見ていくと、部位の形が異なっていることがわかる。
尾びれの形
一番わかりやすい違いは、尾びれの形であると言われている。ジュゴンの尾びれは三角形(三日月形)をしているが、マナティーの尾びれは丸いしゃもじのような形をしている。
口の向き
先ほど両者の食べ物の違いを説明したが、それに伴い、口の形も異なっている。海底に生えている海草を食べるジュゴンの口は、下向きについている。
他方で水面に浮いている水草を食べるマナティーの口は、ジュゴンよりも上向きについている。
なお、両者には他にも体の形の違いがあるため、まとめに記しておく。
まとめ
ジュゴン | マナティー | |
---|---|---|
生息地 | 海域 | 淡水域・汽水域 |
食べ物 | 海草 | 水草・海草など |
尾びれの形 | 三角形 | 丸いしゃもじ形 |
口の向き | 下向き | 上向き |
牙(きば)の有無 | ある | ない |
爪の有無 | ない | ある |
肘(ひじ)の有無 | ない | ある |