「ラグビー」と「アメフト」の違いって?
- どちらも楕円形のボールをゴールや相手陣地に入れて得点を競うスポーツ。タックルなどの接触プレーが認められている。
ラグビー | イギリス発祥で、原始的なフットボールが分岐し、手足が使えるルールとして発展したもの。時間が止まらず進行する。 |
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アメフト | 原始的なラグビーやサッカーがアメリカで独自に発展したスポーツ。攻守のターンがはっきりと分かれ、その都度時間が止められて進行する。 |
記事の目次
概要
ラグビー
正式名称は「ラグビーフットボール(Rugby football)」。
ラグビーにはラグビーユニオンとラグビーリーグの二つがあるが、日本において単にラグビーと言う場合、「ラグビーユニオン」を指す。
イギリスとして連合国になる前のイングランドにおいて発展したスポーツで、ヨーロッパ・オセアニア・南アフリカ・アルゼンチンなどで人気を集めている。
アメフト
正式名称は「アメリカンフットボール(American football)」。
その名称の通り、アメリカで独自に発展したスポーツで、アメリカでは単に「フットボール」と呼ばれる。
それ以外の地域ではラグビーなど他のフットボールとの区別のために「アメリカンフットボール」と呼ばれる。日本においては「アメフト」と省略して呼ばれることが多い。
アメリカでは花形スポーツの位置にあり、野球と並んで人気を集めている。世界的にはアメリカとカナダ以外での人気は限定的である。
特徴
用具
ルールの違いから、アメフトの方がより危険な接触プレーが多くなるため、図のように頑丈な防具が必須となり、ポジションによっても違う。
ボールは同じような楕円の形をしたもので、ラグビーのほうが若干大きく重い。
人数
競技人数はアメフトが1チーム11人制で、ラグビーは15人制と7人制(セブンスと呼ばれる)がある。
ルール
ラグビーはサッカーなどと同じく、決められた時間内で自由に攻守が切り替わるルールだが、アメフトは野球のような攻撃ターンと守備ターンがはっきりと分かれたルールになっている。
野球とは違い、明確な時間制限はあるが、その中で攻守の切り替えが行われる。
ラグビーでは前方へのパスがすべて禁止されているのに対し、アメフトでは1回のプレーで1回許されている。
フィールド
四角いフィールドの両端にゴールがあり、ラグビーはHのような形、アメフトはYのような形をしている。
ゴール外側はどちらもそれぞれの陣地で得点ゾーンとなっている。
アメフトの場合、進む距離がルールと密接に関わるため、その距離「ヤード」の数字がフィールド上に書かれているのか特徴的。
得点
得点のチャンス最大である相手の敵陣地にボールを入れることを、ラグビーでは「トライ(5点)」、アメフトでは「タッチダウン(6点)」という。
ラグビーでは敵陣地の得点ゾーンである「インゴール」の地面にボールをつけないといけないのに対し、アメフトではボールを持った選手が敵陣地である「エンドゾーン」に入るか、エンドゾーン内にいる選手にパスすることで得点となる。
ルールの違い
ラグビーのルール
ハーフ(2分の1の意味)40分の2回、80分で休憩を挟んで行う。80分終了後プレーが止まっていた時間を計測したロスタイムがプレーされ試合終了となる。
ハーフタイムの休憩時間は10分程度で、すべてを足した1試合の時間はアメフトより短めとなる。
ボールを持って相手陣地に向かう状態が攻撃で、相手チームにボールが奪われることで攻守が自由に入れ替わる。
一度フィールドを出た選手は戻れないルール。
アメフトのルール
クォーター(4分の1の意味)15分(日本の場合12分)の4回、60分で休憩を挟んで行う。ロスタイムは計測されず、その都度時計を止めるクロスタイムというルールのため、実質2時間半から3時間ほどの試合時間となる。
攻撃権を持つチームがボールを持って相手陣地へ攻撃し、守備チームは得点ゾーンに侵入されないようボールを奪う。
攻撃は4回でダウンといい、4回目のダウンであるフォースダウンで10ヤード(9.1m)進むと、さらにもう4回のダウンを獲得できる。
相手にボールを取られるか、得点を決めるかすると攻守が交代する。
プレーの違い
ラグビーのプレー
「ボールを持って走る」「パスを回しながら進む」「ボールをキックする」という3つのプレーを基本としながら、進行を阻止するために相手選手に飛びつくタックルをしたり、密集プレー(ブレイクダウン)をしたりして、進行する。
タックルはボールを持っている人にのみに許され、タックルなどのタイミングから選手たちが密集してボールの攻防を行うプレーが展開される。
密集プレーには「モール」と「ラック」の2種類があり、タックルされて倒れると「ラック」、立ったままだと「モール」となる。
パスは後方へしかできず、前方向にボールを落とすこともできない。どちらも反則とされ、相手ボールのスクラムでプレー再開となってしまう。
スクラムは試合再開のための型のことで、軽微な反則などが起こると8人ずつが肩を組んで押し合いながらボールを弾いて再開する。反則は他にペナルティゴールで得点を得ることもできる。
アメフトのプレー
ボールを持っている選手へのタックルに加え、ブロックといわれるボールを持っていない選手への接触プレーも認められている。
ラグビーより接触プレーの自由度が高いため危険な接触プレーもあり、それぞれのポジションに合わせた防具を装着することが必須となっている。
ラグビーと違い、1回のプレーで1回前方へパスをすることができる。
攻撃権が変わった場合、そのボール位置から再スタートされるため、その位置取りが戦術として重要になる。
タッチダウンやゴールができない場合、キックでボールを前方へ蹴り、少しでも相手チームのスタート位置を後方にするような戦術が用いられる。
10ヤード進んだかどうかがプレーの肝となるため、反則の際にはボール位置を下げられる「罰退」という措置が行われる。
選手の交代が自由なため、攻撃と守備、さらにはそのポジションごとの分業がされ、専門性がとても高い。
歴史
ヨーロッパ先史時代からあった「フットボール」という競技があった。ボールをゴールに入れることが基本で、さまざまなルールが存在した。そこから足しか使ってはいけないサッカールールと、手を使っても良いラグビールールが生まれたといわれている。
ラグビーの歴史
イングランドにおいて、1823年にラグビー校にてフットボールをプレー中の少年「エリス」がルールを破って手でボールを持って走ったのがはじまりという伝説が残っている。
パブリックスクールを中心に行われ、1971年にラグビーフットボール・ユニオンが発足し、ルールの統一が行われた。
1895年ごろ、南部のアマチュアを主体とする「ラグビーユニオン」から、プロとして報酬を得る北部中心の「ラグビーリーグ」が発足し、その目的の違いからそれぞれ独自の進化を遂げることになる。
現在ユニオンは15人制と7人制があり、リーグは11人制となっている。
アメフトの歴史
イギリスからアメリカに伝えられたフットボールはサッカールールもラグビールールも大学を中心に行われていたが、ラグビールールから独自ルールに発展し1880年代ごろまでにはラグビーとは完全に分離し、新しいスポーツとして確立していく。