「革命」と「クーデター」の違いって?
革命 | それまで支配されていた者が武力などにより、支配者に取って代わって権力を奪い取ること。社会の仕組みなどが大きく変わると考えられる。また、急激な発展や変化などの意味で使われることもある。 |
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クーデター | すでに支配者である者たちの一部が、武力などによって権力を握ること。社会の仕組みなどは大きく変わることはないと考えられる。 |
記事の目次
両者の違いは“誰が”起こすのか?
「革命」と「クーデター」は、いずれも武力などによって権力を奪い取るという点では共通している。しかし、それを誰が起こすのかという点では違いが見られる。
被支配階級が起こすのが「革命」
「革命」は、それまで被支配者だった者(支配されている者)が支配者から国家権力を奪い取り、政治や経済などの社会構造を急激に変革させることをいう。そのため、体制も大きく変わると考えられる。
例えば、18世紀のフランス革命は当時の民衆の不満が原因で起こった。革命により支配者であったルイ16世が処刑され、王様が支配する君主制から、王様に支配されない共和制へと変わっていった。
なお、「革命」という言葉には武力的な要素を含まない、ある状態が急激に変革するという意味もある。例えば「産業革命」や「技術革命」という言い方は、それまでの社会生活を大きく変えるほど、産業や技術が発展したということである。
支配階級内部の者が起こすのが「クーデター」
これに対して「クーデター」は、支配階級の内部における政権闘争である。武力という非合法的手段によって、ある支配者から別の支配者へと政権(権力)が移動する。そのため、体制は大きく変わらないと考えられる。
例えば、日本国内で有名なクーデターとして挙げられるのは「本能寺の変」である。明智光秀が主君の織田信長を倒したが、一時的に権力者が交替しただけで、体制自体には大きな変化はなかった。
語源について
「革命」の語源は、古代中国における政治思想「易姓革命(えきせいかくめい)」である。「易姓革命」とは、天命を受けた君主が天下を治めるが、その家(=姓)に徳の足りない者が出た場合には、他の有徳者が天命を受けて天下を治めることになるという考え方である。
これに対して「クーデター」の語源は、国家への一撃という意味のフランス語Coup d’etatであると言われている。