「エナジードリンク」と「栄養ドリンク」の違いって?

POINT
栄養ドリンク医薬品もしくは医薬部外品に分類される飲み物。
エナジードリンク清涼飲料水に分類される飲み物。入れることのできる成分や表示できる効果などには制限がある。

エナジードリンク

栄養ドリンクとエナジードリンクの違い

栄養ドリンクとエナジードリンクは、いずれも疲労の回復や気分転換をしたいときに摂取する飲料である。しかし、両者には下記のような違いがみられる。

法律上の分類

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両者の最大の違いは、法律上の分類にあるといえる。

  • 栄養ドリンク:医薬品・医薬部外品
  • エナジードリンク:清涼飲料水

まず栄養ドリンクは法律上の「医薬品(※1)」もしくは「医薬部外品(※2)」に分類される。

1「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、医薬品医療機器等法)」によって規定されている薬のこと

2 医薬品医療機器等法によって規定されている、人体に対する作用が緩やかな薬のこと

これに対してエナジードリンクとは、食品衛生法などでは「清涼飲料水」に分類される。

この法律上の分類の違いは、成分や効能表示についても影響を及ぼす。

配合できる成分・できない成分

両者は配合できる成分についても違いがある。なぜなら、清涼飲料水に分類されるエナジードリンクは、食品衛生法で認められる成分しか使用することができないからである。

例えば、タウリン(※3)という効き目の強い成分は、医薬品・医薬部外品に分類される栄養ドリンクであれば、配合することができる。しかし清涼飲料水に分類されるエナジードリンクには、配合することは認められていない。

3 滋養強壮・肝臓機能に良いとされ、その効果の高さから医薬品とみなされる物質

他方で、カフェイン(※4)・アルギニン(※5)といった成分は、清涼飲料水にも配合することができる。そのためこれらは、一般的なエナジードリンクの主成分となっている。

4 覚醒作用や疲労抑制効果などに効くとされている物質。医薬品的効能効果をうたわなければ配合できる(効能表示の制限を参照)。

5 血流改善や疲労回復などに効くとされている物質。医薬品からは除外されている。

とはいえ、エナジードリンクを過剰摂取して死亡した例もあるため、人体に対する影響が弱いというわけではない。

効能表示の制限

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さらに両者は、効果・効能の表示についての制限の有無という点でも違いがある。

  • 栄養ドリンク:制限なし
  • エナジードリンク:制限あり

栄養ドリンクの場合、効果・効能があれば明確にそれを表示して良い。例えば「滋養強壮」や「疲労回復」などをうたうことができる。

他方でエナジードリンクは、どのように体に良いかを具体的に表示することはできない。そのためエナジードリンクのうたい文句には、抽象的な表現が多いというわけである。

まとめ

  • 栄養ドリンク:医薬品・医薬部外品
  • エナジードリンク:清涼飲料水/配合成分や効能表示に制限がある