「タヌキ」と「アライグマ」の違いって?

POINT
タヌキ古くから日本にいた動物。しっぽは茶色で、模様がない集団行動をし、性格はおくびょうである。
アライグマもともと日本にはいなかった動物。しっぽには黒のしま模様がある。単独行動をし、性格は攻撃的である。

両手をつくアライグマ

タヌキとアライグマの違い

タヌキとアライグマは、どちらも害獣(鳥獣保護法により無許可の捕獲は禁止)であり、見た目もよく似た動物である。

見た目

タヌキとアライグマは、尻尾(しっぽ)で見分けがつく。タヌキの尻尾は茶色く、模様はない。一方、アライグマの尻尾には黒いしま模様がある。

タヌキの尻尾 アライグマの尻尾

【左】タヌキの尻尾【右】アライグマの尻尾

さらに、顔にも違いが見られる。タヌキは目の周りから、首にかけて黒い毛に覆われている。耳のふちは黒く、ひげも黒い。一方、アライグマは、眉間から鼻にかけて黒い線がある。耳のふちは白く、ひげも白い。

タヌキの顔 アライグマの顔

【左】タヌキの顔【右】アライグマの顔

また、指の本数・形も異なる。タヌキの指は4本で、形はイヌに近い。アライグマの指は5本で、形は人間に近い。

習性・性格

タヌキは夜行性である。集団で行動し、なわばりをつくる。穴掘りが得意で、節足動物や地上に落ちた果実などを食べる(雑食性)。多くは森林や里山などで目撃される。おくびょうな性格をしているため、遭遇しても襲い掛かってくる可能性は低い

アライグマも夜行性だが、日中に活動することもある。繁殖期以外は単独行動をし、なわばりはつくらない。木登りや泳ぎが得意で、水生動物や果実などを食べる。時に自分よりも大きな動物を食べることもある(雑食性)。

木に登るアライグマ

木に登るアライグマ

またアライグマは、森林や里山のほか、農地や住宅地などでも目撃される。攻撃的な性格をしているため、遭遇したら刺激を与えないようにすべきである。刺激すると、人間に襲い掛かってくる可能性がある

在来種・外来種

タヌキは在来種であるのに対し、アライグマは外来種である。まずタヌキとは、哺乳類食肉目イヌ科に属する生き物である。東アジアの森林に生息しており、古くから日本の森にもすんでいる。

一方、アライグマとは哺乳類食肉目アライグマ科に属する生き物である。本来は北アメリカの森林に生息する動物であるため、日本の自然の中にはいないはずである。だが、捨てられた個体などが野生化し、繁殖したと考えられる(特定外来生物に指定)。

まとめ

タヌキアライグマ
分類哺乳類食肉目イヌ科哺乳類食肉目アライグマ科
分布東アジアの森林(在来種)北アメリカの森林(外来種)
尻尾茶色・模様なし黒いしま模様
指の本数/形4本/イヌに近い5本/人間に近い
目の周り~首が黒い眉間~鼻が黒い
耳のふちの色
ひげの色
習性集団行動
穴掘りが得意
繁殖期以外は単独行動
木登り・泳ぎが得意
目撃される場所森林・里山など森林・里山・農地・住宅地など
性格おくびょう攻撃的
人間に襲い
掛かってくる可能性
低いある