「祝日」と「祭日」の違いって?

POINT
祝日祝いごとのある日、特に国民の祝日のことをいう。年間16日存在している。
祭日皇室や神社でお祭りが行われる日のことで、祝日の俗称としても使用されている。戦前は休日となっていたが戦後すぐに廃止され、現在は存在しない

カレンダーのイメージ

概要

祝日とは

日の丸の旗

まず祝日とは文字通り、祝いごとのある日・めでたい日のことをいう。

一般的には国が定めた休日のことを指す。日本では「国民の祝日に関する法律」(1948年制定)において、下記のような日を国民の祝日としている。

「美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日」

「国民の祝日に関する法律第一条」より

日本の祝日の例
  • 元日(1月1日)
  • 憲法記念日(5月3日)
  • 文化の日(11月3日) など

なお、国民の祝日に関する法律の中では、

  1. 「国民の祝日」は休日とする
  2. 「国民の祝日」が日曜日の場合、その日の後で、直近の平日が休日となる
  3. 「国民の祝日」に挟まれた平日は休日となる

という旨が定められている。

祭日とは

鳥居と神社

他方で祭日も文字通り、祭りを行う日のことをいう。

日本の皇室では祭典が行われ、神社でも祭祀(さいし)が執り行われる日である。

戦前においては祝日とともに、国家の休日となっていた(1947年廃止)。その名残により、上述した「国民の祝日」の俗称としても使用されることがある。

祝日と祭日の違い

カレンダーのイラスト

「祝祭日」として一括りにされることもある両者だが、最大の違いは存在の有無である。

  • 祝日:年間16日
  • 祭日:存在しない

上述した通り、祝日は祝いの日であり、祭日は祭りを行う日であるという違いがある。そのため戦前の日本では、国は両者を明確に区別していた。

しかし戦後、GHQの占領下において、皇室・神道との結びつきの強い「祭日」は廃止されることになった。

というわけで、現在の日本には「祭日」と呼ばれる日は存在しない。しかし、かつて祭日だった日が、現在は祝日として引き継がれているケースもみられる。

祭日から祝日になった日の例
  • 春季皇霊祭(こうれいさい/宮中で歴代天皇などの霊を祀る儀式)→ 春分の日(春分日)
  • 新嘗祭(にいなめさい/収穫を感謝し、豊穣を祈る祭り)→ 勤労感謝の日(11月23日) など

祝日・祭日一覧表

廃止前日にち戦後~現在
四方節(※1)1月1日元日
【祭日】元始祭1月3日
【祝日】新年宴会1月5日
1月の第2月曜日成人の日
【祝日】紀元節2月11日建国記念の日
【祭日】春季皇霊祭春分日春分の日
【祭日】神武天皇祭4月3日
【祝日】天長節4月29日昭和の日
5月3日憲法記念日
5月4日みどりの日
5月5日こどもの日
7月の第3月曜日海の日
8月11日山の日
9月の第3月曜日敬老の日
【祭日】秋季皇霊祭秋分日秋分の日
10月の第2月曜日体育の日
【祭日】神嘗祭10月17日
【祝日】明治節11月3日文化の日
【祭日】新嘗祭11月23日勤労感謝の日
12月23日(※2)天皇誕生日
【祭日】大正天皇祭12月25日

1 法令には定められていないが、慣習としてあった。

2 平成31年5月1日より、2月23日に変更される。