「演劇」と「ミュージカル」の違いって?

POINT
  • どちらも俳優が舞台で演じて見せる芸術のこと。
演劇セリフや演技で表現する。発祥は原始時代までさかのぼる。
ミュージカル一体化したセリフ・歌・ダンスで表現する。20世紀初頭のアメリカで確立した。

ステージ

演劇とミュージカルの違い

演劇とミュージカルはどちらも、観客を前にして俳優が舞台上で演じて見せる芸術である。いざ考え始めると違いがわからなくなる演劇とミュージカルだが、以下のように整理できる。

表現方法

演劇では俳優のセリフ・演技を主な表現方法とする。セリフと演技のどちらかさえあれば、成立するのが演劇である。だが普通は、舞台装置・照明・音楽といった補助的要素が効果的に用いられている。

演劇のイメージ

一方でミュージカルでは、セリフ・歌・ダンスを主な表現方法とする。しかもそれらは有機的に結びついている必要がある。例えば演劇の劇中歌は、他のセリフやダンスと一体となったものではないためミュージカルとは呼ばない。

ミュージカルのイメージ

発祥

演劇の発祥はわかっていないが、原始時代にまでさかのぼるという。もとは遊戯だったが、のちに宗教的行事とも結びつく。紀元前5世紀にはギリシャで古代劇が成立し、西洋演劇の源流となった。

一方でミュージカルの源流は、18世紀に英国で流行した「バラッド・オペラ」、19世紀後半に欧州で流行したオペレッタあたりとされる。どの時点を発祥とするかは難しいが、現在のような形式が確立されたのは20世紀初頭のアメリカである。具体的には1927年にブロードウェイで初演された『ショー・ボート』がその作品とされる。

まとめ

演劇ミュージカル
表現方法セリフ・演技
(どちらかがあれば成立)
一体化したセリフ・歌・ダンス
発祥/成立原始時代/紀元前5世紀のギリシャ
(西洋演劇の源流)
18~19世紀頃?/20世紀初頭のアメリカ