「赤鬼」と「青鬼」と「黒鬼」と「黄鬼」と「緑鬼」の違いって?

POINT
赤鬼(あかおに)渇望・欲望を表し、手には金棒を持っている。
青鬼(あおおに)悪意・憎しみ・怒りを表し、手には刺股(さすまた)を持っている。
黒鬼(くろおに)疑いの心・愚痴を表し、手には斧(おの)を持っている。
黄鬼(きき)心の動揺・後悔・甘えを表し、手には両刃のこぎりを持っている。
緑鬼(りょくき)倦怠・眠気・不健康を表し、手には薙刀(なぎなた)を持っている。

指に入った鬼たち

赤鬼と青鬼と黒鬼と黄鬼と緑鬼の違い

赤鬼のイラスト

鬼は仏教や陰陽道(おんみょうどう)に基づく、空想上の怪物である。鬼には「赤鬼」「青鬼」「黒鬼」「黄鬼」「緑鬼」がいるが、これらは単なる肌の色の違いではない。

煩悩の種類

鬼の色は、仏教の五蓋(ごがい)をそれぞれ意味している。五蓋とは修行の妨げとなる、五種の煩悩(ぼんのう)をいう。

  1. 貪欲蓋(とんよくがい):渇望・欲望 → 赤鬼
  2. 瞋恚蓋(しんいがい):悪意・憎しみ・怒り→ 青鬼
  3. 疑蓋(ぎがい):疑いの心・愚痴 → 黒鬼
  4. 掉悔蓋(じょうげがい):心の動揺・後悔・甘え → 黄鬼
  5. 睧眠蓋(こんみんがい):倦怠・眠気・不健康 → 緑鬼

節分の豆まきの際は、“取り除きたい煩悩”をつかさどる鬼に豆をぶつけると良いとされる。

持っている武器

ことわざや昔話から、鬼は手に金棒を持っているイメージが強い。ところが実は、色によって持っている武器も異なる。

  • 赤鬼:金棒
  • 青鬼:刺股(さすまた)
  • 黒鬼:斧(おの)
  • 黄鬼:両刃のこぎり
  • 緑鬼:薙刀(なぎなた)
刺股のイラスト

刺股のイメージ

まとめ

赤鬼
(あかおに)
青鬼
(あおおに)
黒鬼
(くろおに)
黄鬼
(きき)
緑鬼
(りょくき)
煩悩の種類渇望・欲望悪意・憎しみ・怒り疑いの心・愚痴心の動揺・後悔・甘え倦怠・眠気・不健康
持っている武器金棒刺股両刃のこぎり薙刀