「軟膏」と「クリーム」の違いって?

POINT
  • どちらも塗り薬のこと。
軟膏
(なんこう)
ベースに水分を含まない。保湿性に優れ、肌への刺激が弱いなどのメリットがある一方、ベタつきやすいといったデメリットもある。
クリームベースに水分を含む。浸透性に優れ、べたつきくいなどのメリットがある一方、肌への刺激が強いといったデメリットもある。

指にクリームをつけている所

軟膏とクリームの違い

軟膏とクリームは、皮膚に塗る薬という点では同じであるが、下記のような違いがみられる。

水分を含むか

指にクリームをつけている所2

軟膏とクリームは、どちらも基剤(有効成分の効果を引き出す役割を持つ、ベースとなる成分)と有効成分を混ぜて作られている。両者の違いは、基剤の部分にある。

  • 軟膏:基剤【油性成分】+有効成分
  • クリーム:基剤【油性成分+水分】+有効成分

軟膏は、脂肪やワセリンなどの油性成分に、有効成分を混ぜて作る。他方でクリームは、油性成分と水分、有効成分を混ぜて作る。

すなわち、水分が含まれていないのが軟膏、水分が含まれているのがクリームである。

なお、「軟膏」と書いてあっても、実際にはクリームの場合もある。

メリット・デメリット

手にクリームを塗っている所

基剤の成分が異なる軟膏とクリームは、薬剤としてのメリット・デメリットも違いがみられる。

軟膏のメリット・デメリット

軟膏のメリットとしては、

  • 保湿性に優れている
  • 皮膚への刺激が弱いため、乾燥した患部・ジュクジュクした患部・傷まで広く使える
  • 汗などで流れにくい

などが挙げられる一方、水分が含まれていないため、ベタつきやすいというデメリットもある。

クリームのメリット・デメリット

クリームのメリットとしては、

  • 皮膚への浸透性が高いので、効果が出やすい
  • 水分が含まれているため伸びが良く、ベタつきにくい

などが挙げられる一方、

  • 汗などで流れやすい
  • 皮膚への刺激が強いため、傷やジュクジュクした患部には適さない

といったデメリットもある。

まとめ

 軟膏クリーム
水分含まれていない含まれている
メリット
  • 保湿性が高い
  • 刺激が弱い
  • さまざまな患部に対して使える
  • 汗などで流れにくい
  • 浸透性が高い
  • 伸びが良い
  • ベタつきにくい
  • 効果が出やすい
デメリットベタつきやすい
  • 汗などで流れやすい
  • 刺激が強い
  • 傷やジュクジュクした患部に適さない