「NPO」と「NGO」の違いって?
NPO | nonprofit organizationの略。非営利組織といわれる。医療や福祉などの社会貢献活動を行う。 |
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NGO | non-governmental organizationの略。非政府組織といわれる。貧困や紛争など、地球規模の問題に取り組む。 |
記事の目次
NPOとNGOの共通点
いずれも非営利組織である
NPO(nonprofit organization)とは、下記のような団体である。
様々な社会貢献活動を行い、団体の構成員に対し、収益を分配することを目的としない団体の総称
引用元:NPOのイロハ
そのため、収益を目的とした事業を行うこと自体は認められている。しかし、最終的には得た収益を社会貢献に充てることになる。
これに対してNGO(non-governmental organization)とは、政府から独立した非営利の民間協力組織である。開発協力や人権・環境保護など、地球規模の問題について取り組んでいる。
- 代表的なNGO
- 日本赤十字社(JRCS)
- 日本ユネスコ協会連盟(NFUAJ)
- 国境なき医師団(MSF)
本来はっきりと区別はできない
このように、非営利組織であり社会貢献活動を行っている点に関して、両者は共通している。そもそもはっきりと区別できるような存在ではない。しかし、それぞれに定義というものが存在しないため、様々な解釈がなされるようになった。
日本国内では一般的に、地域・労働・子育てなどの国内の問題に取り組むのがNPOで、貧困や紛争などの国際的な問題に取り組むのがNGOと使い分けられていることが多い。
NPOとNGOの違い
定義などの明確な違いはないNPOとNGOだが、個別に見ていくと当然異なる点がある。
NPO法の存在
日本には、阪神淡路大震災をきっかけとして1998年に成立した特定非営利活動促進法(通称NPO法)がある。NPO法人とは、この法律に基づいて法人格が付与された団体のことである。
現在では、20の活動分野における活動が認められている。NPO法人の特性から、事業対象は不特定多数とする必要がある。
- 認められている20の活動分野
- 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
- 社会教育の推進を図る活動
- まちづくりの推進を図る活動
- 観光の振興を図る活動
- 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
- 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
- 環境の保全を図る活動
- 災害救援活動
- 地域安全活動
- 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
- 国際協力の活動
- 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
- 子どもの健全育成を図る活動
- 情報化社会の発展を図る活動
- 科学技術の振興を図る活動
- 経済活動の活性化を図る活動
- 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
- 消費者の保護を図る活動
- 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
- 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動
出典:NPOホームページ「特定非営利活動法人(NPO法人)制度の概要」
NGOは国連で使われていた言葉
NGOとは、もともとは国際連合憲章第71条に記されていた用語である。
国連経済社会理事会に認定された、協議資格を持った民間団体のことであった。その言葉が広まり、現在では国連に関係なく使われている。