「名目GDP」と「実質GDP」の違いって?
POINT
名目GDP | GDPの種類のひとつで、物価の変動による影響を含んだ値のこと。 |
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実質GDP | GDPの種類のひとつで、物価の変動による影響を含まない値のこと。名目GDPから物価変動の影響をなくした数値ともいえる。 |
記事の目次
そもそもGDPとは何か
GDPとはGross Domestic Productの略称で、国内総生産という意味である。国内において一定期間に生み出された付加価値の合計を示している。あくまでも対象は「国内」であるため、国内企業が海外で行う商取引などについては、除外されている。さらに市場での取引が対象なので、家事やボランティア活動などから生じる付加価値も含まれていない。
GDPは国内における景気の判断指標として有用であるため、内閣府は四半期ごとにこれを発表している。そして、GDPには名目GDPと実質GDPの二種類が存在している。両者の違いは物価変動の影響があるかないかということである。
名目GDPには物価変動による影響あり
名目GDPとは、実際の市場で取引されている価格に基づいて推測されたGDPのことである。その時点の市場価格で評価されるため、当時の物価もGDPの数値に影響を及ぼすことになる。
例えば商品の販売数は減少していても、物価が上昇した結果、前年よりもGDPが高くなる可能性がある。反対に販売数は増加しているにも関わらず、物価が下落傾向にあれば、GDPも低く抑えられてしまうことも考えられる。
そのため名目GDPは、純粋な経済成長を見ていく上ではわかりづらい指標ともいえる。
実質GDPは物価変動の影響なし
他方で、実質GDPでは物価変動の影響は除かれている。この値を見ると、国内で一定期間に生産された財・サービスの付加価値の本当の合計額がわかるといえる。言い換えると、先ほど触れた名目GDPから物価変動の影響を差し引いたものである。