「からし」と「マスタード」の違いって?

POINT
からし
(和がらし)
オリエンタルマスタード種を主原料とする香辛料のこと。粉末にした種に、水分を加えて作る。鼻にツンとくる辛みが特徴。
マスタード
(洋がらし)
イエローマスタード種を主原料とする香辛料のこと。粉末にした種に、水分や他の調味料などを加えて作る。マイルドな辛みが特徴。

瓶に入ったマスタード

概要

からしとは

まず、からしの主原料となるアブラナ科カラシ菜の種には大きく分けて、

  1. オリエンタルマスタード
  2. イエローマスタード

の2種類が存在する。

和がらしのイメージ

このうち、一般的に「からし」と呼ばれるものは、主にオリエンタルマスタードの種から作られている香辛料を指す(※1)。

なお、欧米から入ってきたマスタード(=洋がらし)と呼び分けるために、「和がらし」と言う場合もある。おでんや和え物などに使われることが多い。

1 イエローマスタードの種が使われている場合もある。

マスタードとは

色々な洋がらし

他方でマスタードとは、主にイエローマスタードの種から作られている香辛料を指す(※2)。

上述の通り、従来から存在した「和がらし」に対して「洋がらし」と呼び分ける場合もある。サンドイッチやホットドッグなどに使われることが多い。

2 ブラウンマスタードの種が使われている場合もある。

からしとマスタードの違い

からしとマスタードはいずれも、アブラナ科カラシ菜の種から作られる香辛料である。しかし、下記のような違いがみられる。

種の種類

概要でも述べた通り、両者は主原料となる種の種類が異なっている。

  • からし:オリエンタルマスタード(辛みが強い)
  • マスタード:イエローマスタード(辛みが弱い)
オリエンタルマスタード

オリエンタルマスタード

出典:チヨダ株式会社「チヨダのからし」

まずからしの主原料となるのは、強い辛みを持つオリエンタルマスタード種である。

オリエンタルマスタード種は濃い黄色をしており、その粉末に水を加えると、「アリルからし油」という揮発性が高く、辛みの強い成分が生じるのが特徴である。この成分の働きが、からしのツンと鼻にくる辛みの原因となっている。

イエローマスタード

イエローマスタード

出典:チヨダ株式会社「チヨダのからし」

他方でマスタードの主原料となるのは、マイルドな辛みを持つイエローマスタード種である。

イエローマスタード種は薄い黄色をしており、その粉末に水を加えると、「ベンジルからし油」という揮発性が弱く、辛みの弱い成分が生じるのが特徴である。

製造方法

また両者は、製造方法にも違いがみられる。

  • からし:粉末+水分
  • マスタード:粉末+水分+他の調味料

まずからしは、粉末を水やお湯で練って作る。

他方でマスタードも粉末を水やお湯で練るが、そこへ酢など他の調味料を加えて作る。酢が加わると辛みを作る酵素が抑えられるため、マスタードは製造の過程においても、辛みが抑えられていることがわかる。

辛さ

以上の結果、両者は辛さが異なっている。

  • からし:鼻にツンとくる辛さ
  • マスタード:マイルドな辛さ

まとめ

からしからし
主原料オリエンタルマスタード
(辛みが強い)
イエローマスタード
(辛みが弱い)
製造方法粉末+水分粉末+水分+調味料(酢など)
辛さ鼻にツンとくる辛さマイルドな辛さ